ダツ目メダカ科に属するメダカは、体長3.5㎝
程の小型淡水魚で金魚同様古くから観賞魚とし
て日本人に親しまれてきました。
日本、台湾、朝鮮半島、中国に分布し、
かつて日本では小川や水路などでメダカの群れ
を見ることがよくありましたが、
生息環境の変化から年々個体数が減少している
状況にあり、現在は絶滅危惧Ⅱ類に指定されて
います。
しかし
熱帯魚の中でもトップクラスの丈夫さを持ち、
飼育費用も安価な為飼いやすくビオトープで
も飼育出来ます。
そこで今回メダカを飼育する際
- 用意する物
- 水槽立ち上げ、導入
- 日々の管理
- 繁殖
- 混泳
- 病気
- 寿命
- 注意点
などをご紹介します。
用意する物
水槽
メダカを入れる容器は、屋外飼育やビオトープ
での飼育の際は睡蓮鉢や発泡スチロール、タラ
イなどを使用しますが、屋内飼育では管理・観
察しやすいように水槽で飼育します。
個体数に対して水槽が小さいと水質が直ぐに
悪化してしまうので、メダカ1匹に対し1ℓの
水量を目安に水槽を選びましょう。
魚は過疎飼育にすると長生きする傾向がある
ので、ゆとりのある大きさと個体数にするの
がポイントです。
また、繁殖や混泳飼育をお考えの際はさらに
大きな水槽をおススメします。
底砂
屋外飼育で定番の底砂は赤玉土ですが、屋内飼
育での定番は大磯砂です。安価で型崩れやクセ
が無く、半永久的に使えます。
水草
必ずしも入れる必要はありませんが水草を入
れると景観を美しく演出する他、水質を良好
に保ち繁殖の際の産卵床、混泳の際の隠れ家
などとしても活躍します。
アナカリスやウィローモスが、メダカ飼育に
相性の良い水草です。
レイアウト
水槽内にゆとりがあれば、隠れ家となる流木や
土管などのレイアウトを入れるとメダカが喜びます。
ろ過フィルター
水質を良好に保つために、ろ過フィルターを設
置します。しかしメダカにとって水流が強すぎ
てしまう事があるので、調節出来るタイプを選
びましょう。
ライト
屋外で飼育する際は必要ありませんが、屋内飼
育ではメダカの成長と健康維持の為ライトの設
置は必須です。
カルキ抜き
メダカは非常に丈夫で水質の適応力も高いです
が、水道水に含まれる塩素はメダカにとって有
毒なので、数日汲み置きしていた水を使用する
か市販のカルキ抜きを使用して塩素を中和した
水を使用します。
餌
基本的には市販の人工飼料を与えます。
しかし繁殖期などで栄養を付けさせたい場合は、
ゾウリムシやミジンコなどの生餌を併用して与
えると効果的です。
その他
メダカの生存可能水温は2~40度と幅広いです
が、繁殖させる際は一定の温度条件がある為
ヒーターの設置が必要です。
また暑さにも比較的強いですが、混泳飼育の場
合は夏場の水温上昇に耐えられない魚がいるの
で、状況に応じて冷却ファンなどを取り付けま
しょう。
水槽立ち上げ、導入
水槽立ち上げ
設置したばかりの水槽には、水質を浄化する
バクテリアがまだ全く居ない為非常に不安定
な環境です。
その為メダカを入れる前に、水槽立ち上げと
呼ばれる作業をして環境を整えておく必要が
あります。
[手順]
- 水槽や底砂、レイアウトを水でよく洗います。
- 水槽内に底砂、レイアウト、水草、全ての器
具を設置し、カルキを抜いた水を入れます。 - ろ過フィルターのスイッチを入れ、作動さ
せます。 - そのまま1ヶ月程放置します。
導入
水槽立ち上げが完了したら、いよいよ水槽に
メダカを導入します。
しかし購入した個体をすぐに水槽に入れてしま
うと、水温・水質の急激な変化によりダメージ
を受けてしまうので水合わせを行う必要があります。
水温合わせ
- 購入した個体が入っている袋を、未開封の
まま水槽に浮かべます。 - そのまま30分~1時間程放置します。
水質合わせ
- 水温合わせが完了したら袋の水を少し捨て、
水槽の水を1/3程入れます。 - そのまま10分間水槽に浮かべ、また袋の水
を捨て水槽の水を入れます。 - これを5回程繰り返し水質合わせが完了し
たら、袋の水は全て捨てメダカのみを水槽
に入れます。
初心者 メダカ水槽立ち上げ② 水合わせ編 完璧 Medaka fish tank Killifish Aquarium launch
日々の管理
餌やり
メダカを含め魚は少々粗食気味に育てた方が
長生きするので、人工飼料に記載されている
メーカー推奨量よりも少なめに1日2回餌やり
をします。
また、食べ残しから水質が悪化するのを防ぐた
め1回の餌やりは5分以内で食べられる量にしま
しょう。
また、食べ残した餌はスポイトなどで速やかに
取り除きます。
水替え
ろ過フィルターを設置して水が綺麗に見える
場合でも、水質は日々変化しています。
水質悪化は病気の原因となるので、1週間に1回
水を変えます。この時全ての水を変えてしまう
と急激に水質が変化してしまうので、1度に変え
る水は水槽の1/3程度にします。
繁殖
メダカは丈夫で育てやすく、比較的簡単に繁殖
させる事も出来ます。
しかし
一定の条件があり、屋内飼育では飼育者が繁殖
に適した環境を作ってあげる必要があります。
メダカの繁殖法について、こちらに詳しくまとめ
たのでご覧ください。
混泳
メダカは非常に温和な性格をしている為、他の
魚とトラブルを起こす事が少なく混泳出来る種
類も多いです。
しかし小型魚である為、混泳相手を間違えると
捕食されてしまう恐れもあるので相性の良い魚
を選ぶ必要があります。
メダカと他の魚の混泳については、こちらに詳し
くまとめたのでご覧ください。
「メダカと他の魚を混泳させたい方必見!!飼育方法を紹介!!」
病気
メダカは適切な飼育方法と良好な飼育環境で
飼っている限り、滅多に病気にかかる事がない
丈夫な観賞魚です。
しかし小型魚なので1度病気にかかると重症化
しやすく、治療が難しくなる事があります。
メダカの病気と予防法については、こちらに詳し
くまとめたのでご覧ください。
寿命
メダカは小型魚の為、他の熱帯魚よりも寿命
が短い傾向にあります。
しかし野生下よりも飼育下の方が長生きし飼
育法でも寿命は変わるので、長生きさせるには
メダカに適した環境作りが重要になります。
メダカの寿命と長生きさせるコツについては、
こちらに詳しくまとめたのでご覧ください。
注意点
小さい水槽や、水量の少ない容器での飼育の際はろ過フィルターを設置しません。
水量に対して水流が強すぎてメダカが弱ってしまいます。
水槽に敷く底砂に、園芸用の肥料や防虫剤が含まれている土を使用してはいけません。
水に溶けだした成分により、メダカに様々な悪影響を与える恐れがあります。
まとめ
- ✤ メダカを入れる水槽の大きさは、1匹に対し1ℓ
の水量が目安。 - ✤ フィルターは弱めに設定する。
- ✤ 1日2回、5分内で食べきれる量の餌を与える。
- ✤ 週に1回水槽の1/3程度の水を変える。
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