日本、台湾、朝鮮半島、中国などに分布する
メダカは、丈夫で飼育しやすく古くから観賞
魚として日本人に親しまれてきました。
しかし
水質や水温の急変や飼育環境の劣勢などで病気
にかかる事もあり、体長3.5㎝程の小型魚なので
重症化すると治療が困難になります。
早期発見、早期治療は病気の治療に大変効果的
なので、日々の観察と対策が重要になってきます。
そこで今回メダカの
- 病気
- 治療法
- 予防法
- 健康チェック
- 注意点
などをご紹介します。
病気
カラムナリス症
水槽内の常駐菌であるフレキシバクター・カラ
ムナリスと言う菌が、飼育環境や個体の状態な
ど様々な原因で感染します。
体のいたる場所に発症し、その箇所により尾腐
れ、口腐れ、ヒレ腐れ、エラ腐れ、皮膚のカラ
ムナリス病などと病気の呼び名は変わりますが、
発症原因は同じです。
発症箇所の変色や充血、個体の元気がない、
水底に沈んでいる、餌を食べないなどの症状が
現れた場合カラムナリス症を疑います。
症状が進むと患部組織が溶けるようになる、又は
ボロボロと崩壊しやすくなり発症部位の腐敗、壊
死、欠損、そして死に至ります。
早めの治療により完治出来る病気なので、早期
発見に努めます。
白点病
体表に1mm程の白い斑点が現れます。
症状が進むと全身が白点に覆われ、呼吸困難に
より死亡する事もあります。
この病気は繊毛虫が個体に寄生する事が原因で、
感染初期は白点が小さく少ないため目視で確認
する事は出来ません。
しかし
メダカが水槽やレイアウトに体表を擦りつけた
り、体を小刻みに震わせる、呼吸が荒くなるな
どの行動をとっている場合は感染が疑われます
ので目安にして下さい。
松かさ病
魚の腸に常在するエロモナス菌と呼ばれる細菌
が、水質悪化や個体の体調不良により爆発的に
増殖し発症する治療困難な難病です。
早期発見が難しく、症状が進むと鱗が逆立ち体
が松ぼっくりのようになり、ポップアイ(眼球
突出)も見られます。
そしてさらに症状が進むと衰弱し、死に至ります。
餌の食い付きが悪くなる、排便をしなくなる、
水底に留まり動かなくなる、体表の粘膜剥離な
どが見られたら松かさ病を疑います。
再発率が高く完治が難しい病気なので、水質
管理を徹底して予防しましょう。
水カビ病
健康な個体が直接水カビ病に感染する事は無く、
他の病気や寄生虫などの二次感染や飼育環境の
急変によるストレスなどが原因で発病します。
体表に白いモヤの様なカビが付着し、症状が進
むと充血や出血が見られ、疾患部位を壊死させ
死に至ります。
しかし
目視で容易に発見出来、早期治療で完治出来る
ので日頃の観察を心がけましょう。
転覆病
ある日突然仰向けにひっくり返り、通常通りに
泳げなくなる病気です。
細菌やウイルスの病気ではなく、個体の体質や
体調が関係しています。
餌の与え過ぎや消化不良、エア食い、水槽外部
からのストレス、水質悪化、病気感染、ph
ショック、など様々な原因が考えられ、その原
因を取り除いてあげる必要があります。
早期治療で治る可能性は十分ありますが、重症
化すると死に至るので病気が悪化する前に気づ
いてあげる事が大切です。
治療法
水温上げ
白点病や水カビ病、転覆病などは、水温を30
度近くまで上げると病原菌が死滅すると言わ
れています。
しかし
急激な水温の変化は個体に確実にダメージを与
えるので1日1度ずつ、又は朝晩に1度ずつなど
徐々に水温を上げていきます。
これを塩水浴や薬浴と併用して行いましょう。
しかしカラムナリス症や松かさ病などは
未だ確立した治療法がなく、水温に関しても
様々な説があるので注意します。
塩水浴
観賞魚の病気の治療で有効な手段の一つです。
塩の殺菌効果や浸透圧の調整作用、傷などの
ダメージの修復効果があり、病気を早期発見し
た場合塩水浴だけで十分回復する事もあります。
病気治療が目的の場合は塩分濃度0.5~1.0%、
体調不良による体力回復が目的の場合は塩分
濃度0.2~0.5%を目安にしましょう。
- 塩水浴をさせる隔離水槽に水温合わせをした
メダカを放したら、1時間に0.1%の塩を入れ
て徐々に塩水にします。
塩水浴中は基本的に絶食ですが、病気によって
は治療に数週間かかる事もあるので開始3~4日
は餌を与えず、その後は飢えない程度に少量与
えます。
- また塩水は水質が悪化しやすいので、毎日水槽
の1割程度の水替えを同濃度にした塩水で行います。
- 治療後は水替えの塩分濃度を薄くし、1週間程か
けて徐々に塩分を抜きます。
薬浴
塩水浴は薬ではないので万能な治療法ではなく、
メダカの体力回復を促し治癒力を高め、病原菌
を弱らせる効果を期待するものです。
その為当然塩水浴だけでは効果のない病気もあ
り、その場合は薬を溶かした水槽にメダカを入
れて治療します。
病気に合った薬を用意し、隔離水槽で薬浴します。
メダカの病気 治療方法 水カビ病 白点病 治ります 次々に死ぬ伝染病ですメチレンブルー薬浴
予防法
個体購入時
「新しいメダカを水槽に入れたら病気になった」
とはよく聞く話で、熱帯魚ショップで購入した
個体が寄生虫や病原菌に感染していて、その個
体を水槽に入れる事により病気が蔓延する場合
もあります。
体の変色や変形のない元気な個体を選び、念の
ため水槽に導入する前に塩水浴や薬浴でトリー
トメントします。
水質管理
メダカは本来丈夫で飼いやすい魚と言われてお
り、綺麗な水で適切な飼育法をしている限りほ
とんど病気にはなりません。
その為病気の予防には水質管理が何より重要な
事です。
水量に合った数のメダカを飼育し、食べかす・
食べ残しを減らすため餌の与え過ぎに注意します。
また
水槽内の水は、見た目が綺麗でも日々水質は
変化しています。汚れていないと感じても定
期的に水替えをしましょう。
水温管理
季節の変わり目や、朝晩の水温変化にも注意
が必要です。
病原菌によっては活動が活発になる水温があり、
個体の調子が悪い場合すぐに感染してしまいます。
水温を一定に保ち、メダカの元気がないと感じ
たら塩水浴をして体力を回復させます。
健康チェック
病気の早期発見・早期治療は、メダカの命を
助けるために最も重要な事です。
- ✔ 体の変色、変形
- ✔ 行動の異常
- ✔ 餌の食い付き
- ✔ 排泄の有無
などを日頃から観察し、個体の変化を見逃さない
ようにしましょう。
注意点
隔離してから行います。飼育していた水槽で行うと水草など水槽内の
植物が枯れてしまう事や、水質を良好に保つろ
過バクテリアが死んでしまう可能性があります。
個体に感染してしまう恐れがあります。中には病気発症後数日で水槽内の生物を全滅さ
せる感染力を持つ病気もあるので、発病した個体は速やかに別容器に隔離します。
水中に病原菌が浮遊している可能があります。治療したメダカや他の個体への感染防止の為、
水槽やレイアウトを水で綺麗に洗いリセットします。
として一般的ですが、間違えた実地方法により
逆に死期を早めてしまう事があるので、慎重に
行いましょう。
まとめ
- ✤ カラムナリス症、白点病、松かさ病、水カビ病、
転覆病などにかかりやすい。 - ✤ 水温を30度近くまで上げて、塩水浴や薬浴で治療する。
- ✤ 新しい個体はトリートメントを行い、水槽の水
質、水温管理を徹底する。 - ✤ 病気を早期発見する為にも日頃の観察を行う。
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