観賞魚として古くから愛されているメダカは、
熱帯魚の中でも特に丈夫な体を持ち比較的飼
育しやすい魚と言えます。
また産卵、繁殖も条件が揃えば容易にでき、
その生命の奇跡に立ち会うのもメダカ飼育の
醍醐味ではないでしょうか。
そこで今回メダカの
- 繁殖期、条件
- オスとメスの見分け方
- 用意する物
- 繁殖
- 生命の誕生を観察するポイント
- 稚魚の飼育
- 注意点
などをご紹介します。
繁殖期、条件
繁殖期
メダカの繁殖期は野生下や屋外飼育の場合
春~秋で、その中で最も産卵が行われるのが
春~夏です。
条件
メダカの繁殖の条件は、「日照時間」と「水温」
です。日が出て明るい時間が13~14時間、水温
が15~26度になると繁殖出来る様になる為、
明るい時間が長くなり気温が上がる春~秋が繁
殖期になるのです。
しかし
屋内飼育では、ライトやヒーターの使用で繁殖
条件を人工的に作る事が出来るので
1年中繁殖可能となります。
オスとメスの見分け方
- オス
オスは尻ビレが大きくギザギザしており、並行
四角形の様な形をしています。また、背ビレの後
方付け根部分に切り込みが入っているのが特徴です。
- メス
オスに比べ尻ビレは小さく、三角形や台形の様
な形をしています。また背ビレには切り込みは
入っておらず、丸みを帯びた形をしています。
用意する物
ライト
産卵に適した日照時間を再現する為に用意します。
1日13~14時間付け、睡眠時間と活動時間を規則
正しく分けます。
ヒーター
メダカの活動が活発になる25~28度に設定します。
産卵床
産卵床には通常水草を使用します。
産卵床がない場合、お腹に卵をぶら下げたままの
状態になり高確率で他のメダカの餌になってしま
います。
根の部分がなるべく茂っている「ホテイアオイ」
などがおススメです。
孵化用水槽
卵は産卵後の次の瞬間から親魚の餌になります。
卵が親魚に食べられないように、産み落とされ
た卵は孵化用の別水槽に移しましょう。
孵化用水槽には砂利などを敷き、親魚を飼育し
ている水槽と同じ環境にしておきます。
良質な餌
体長3.5㎝程の小型魚であるメダカにとって、
産卵は大変体力を使う行為です。
健康状態の良い成魚は毎日のように産卵するの
で、より栄養価の高い餌をいつもより多めに与
えます。
ミジンコやゾウリムシなどの生餌をあげるとよ
り効果的です。
繁殖
求愛
水槽に成熟した親魚をオス1:メス3の割合で入れ
ます。オスは気になる個体を見つけたら、頭を下
げてメスの体の下に行きくるくると回り求愛アピー
ルをします。
なお、この行動は夜中~明け方にかけて行われる
ようです。
交尾
求愛を受け入れたらオスとメスは寄り添って泳
ぎ、背びれと尻ビレでメスをしっかり抱擁する
様に抱き寄せて交尾します。
するとメスはその体制のままお腹に抱卵し、
そこにオスが精子をかけて受精させます。
この間約30秒程です。
産卵
交尾後メスはしばらく抱卵したまま泳ぎます。
そして1時間程経つと水草に卵を産み付けるか、
水槽の底に落ちます。
生命の誕生を観察するポイント
求愛~産卵は明け方までに行われ、日が昇る頃に
は終わってしまいます。
始めから観察したい場合は
夜ライトを消した後、水槽に黒い布を被せて光を
遮断し観察したい時間になったら布を取ります。
するとメダカは時間を勘違いし繁殖行動を始めます。
めだか産卵シーン
稚魚の飼育
産卵が済んだら、水温を25度に設定した孵化用
水槽に水草ごと移動します。この時、白く濁り
触ると割れてしまうような卵は無精卵なので取
り除きましょう。
産卵後10日~2週間程で孵化するので、その際に
出た殻などのゴミはスポイトやアミなどで取り除
きます。
生後3日まではお腹に溜まっている栄養だけで生活
しますが、その後2週間程は稚魚用の粉餌を、食欲
旺盛なので1日5回程多めに与えます。
しかし水質悪化や急変などは稚魚にとって命に関わ
る事なので、目に見える食べ残しは速やかに除去し、
出来るだけ水替えを減らします。
水質悪化により水替えを行う場合は、少量の水を
静かに変えましょう。
生後3週間程経つと徐々に成魚の餌を食べられるよ
うになるので、2~3分で食べきる量の餌を1日3回
与えます。
稚魚が成長していき約1ヶ月経つと成魚の半分程の
体長になるので、親魚を飼育している水槽に移して
構いません。
注意点
無精卵を水槽に放置すると、カビや水質悪化の原因となります。
いくら待っても孵化する事はないので必ず取り除きましょう。
孵化用水槽に外掛けフィルターなどを付けると、卵が吸い込まれてしまう恐れがあります。
また稚魚にとっては水流が強すぎるので、エアレーションやろ過フィルターは使用しません。
孵化直前の卵や生まれたての稚魚は絶対に触らないようにします。
体が柔らかく非常にデリケートな為、重症を負う事や簡単に死んでしまう事があります。
まとめ
- ✤ 繁殖期である春~秋で最も産卵するのは春~夏。
- ✤ 明るい時間が13~14時間、水温15~26度が繁殖条件。
- ✤ 親魚に良質な餌や生餌を与えて栄養を付ける。
- ✤ 夜中~明け方にかけて繁殖行動が行われる。
- ✤ 孵化用水槽は25度に設定し、フィルターや
エアレーションは設置しない。 - ✤ 水質悪化や水質変化は命取りなので注意する。
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