ゾウガメとは、爬虫綱カメ目リクガメ科に
分類する甲長1m以上になる大型のカメです。
15世紀半ばから17世紀半ばまで続いた大航海
時代に、食料として乱獲され大半の種が絶滅
しましたが、現在はかろうじて生き残った種を
飼育繁殖プログラムの元厳重に保護されています。
そんなゾウガメですが、ペットとして少数の
繁殖個体が日本に輸入される事があり、飼育費
用や飼育スペースの問題から一般家庭での飼育
は少々難しいですが、寿命の長さから一生涯の
友として迎えるには最適な生物です。
そこで今回ゾウガメの
- 飼育の前に
- 用意する物
- 餌
- 日々の管理
- 寿命
- 注意点
などをご紹介します。
飼育の前に
現在見る事の出来るゾウガメは、最大甲長
130㎝体重300㎏にまでなるリクガメ科最大種
の「ガラパゴスゾウガメ」と、それに次ぐ大き
さの甲長120㎝以上に成長する「アルダブラゾ
ウガメ」です。
ガラパゴスゾウガメは食用として乱獲され、
絶滅寸前にまで個体数が減少した為ワシントン
条約により商取引が厳しく規制されているので、
個人での飼育は難しいでしょう。
しかしアルダブラゾウガメは、飼育繁殖させ
た個体が極稀にペットショップなどに流通さ
れる事があり、個体の大きさにより20~100
万円程の値段で販売されているようです。
しかし
ゾウガメ飼育には莫大な費用と設備投資が必
要なので、終生飼育出来るか良く確認してか
ら購入しましょう。
用意する物
飼育スペース
体長が小学校低学年の子供程の大きさになるの
で、少なくとも6畳以上のスペースは必要ですが、
体重が数百㎏に及ぶので室内や高層階での飼育
は不可能と考えます。
一戸建てであれば1階部分を改築、それ以外であ
れば野外に温室を建築する必要があります。
甲羅を綺麗なドーム状に成長させるには紫外線
が必要なので、壁や天井は紫外線を通す資材を
使用します。
また成長と共に重量やパワーが非常に増すので、
床や壁の補強工事も行いましょう。
床材
改築工事や温室建設の際、床は土壌仕様にします。
基本的には何も敷かなくても良いですが、干し草
などの粗飼料を敷いておくと空腹に応じて勝手に
食べます。
紫外線ライト
一階部分を改築して室内で飼育する場合は、
紫外線ライトを設置します。
ヒーター
熱帯地方に生息するので、気温が低くなると
体調を崩す事があります。
特に幼体の飼育は高温多湿が好ましいので、
常に25度前後を維持する様にします。
保温球
25度前後に維持した飼育スペース内に、35~40
度のホットスポットを用意します。
水場
水浴びをして水分補給や体温調節をするので、
飼育スペース内に個体が入る大きさの浅いプー
ルを設置します。
餌
ゾウガメは野菜や野草、花、果実などを食べる
植物食です。しかしあまり栄養価の高い食べ物
を与えると、成長スピードと甲羅の大きさが合
わず変形する様な事もあります。
ゾウガメの餌とおススメの餌について、
こちらに詳しくまとめたのでご覧ください。
日々の管理
ゾウガメは水浴びの際に排泄をする事が多いの
で、水はこまめに取り替えます。
運動不足による肥満や便秘を防止する為に、腫
れて暖かい日は外に連れ出してあげましょう。
アルダブラゾウガメ 歩く
寿命
ゾウガメは非常に寿命が長く、上手く飼育すれ
ば飼育者の孫の代まで生きる程長寿です。
ゾウガメの寿命について、
こちらに詳しくまとめたのでご覧ください。
注意点
低温になると餌の食い付きが悪くなる事や体調
を崩す事がありますが、野生下での主な死因は
熱中症なので、暖め過ぎには注意します。
飼育繁殖させたアルダブラゾウガメはペットシ
ョップなどに流通していますが、ワイルド個体
(野生種)は保護対象の為、正規ルートで入手す
る事は出来ません。
密猟などの可能性もあるので、異常な安価で販
売されているものは注意します。
まとめ
- ✤ 日本で飼育出来るのは、アルダブラゾウガメの
飼育繁殖個体。 - ✤ 飼育するには1階部分を改築、又は野外に温室を
建設する必要がある。 - ✤ 飼育スペースは25度前後に維持し、35~40度の
ホットスポットを用意する。 - ✤ 水をこまめに取り替え、天気のいい日は外で運動
させる。