ゾウガメとは
1mを超す大きな甲羅にそれを支える太い四肢、
長い首が特徴的な世界最大のリクガメで、その
体重は250㎏にも達します。
「鶴は千年亀は万年」と言うことわざがある
ように非常に長生きする事でも知られており、
万年とまではいきませんが人間の寿命をはる
かに超える長寿な生き物です。
そこで今回ゾウガメの
- 寿命
- ゾウガメに多い病気
- 長生きさせるコツ
- 注意点
などをご紹介します。
寿命
非常に長生きする生き物で、平均寿命は100歳
を超え脊椎動物の中では最も寿命が長い生物と
言われているようです。
また確実な証拠はありませんが、インドの動物
園で飼育されていた「アドワイチャ」と言う名
のゾウガメは、記録を繋ぎ合わせた所250年以
上生きた可能性があると考えられ、事実であれ
ば地球上で最も長生きした動物となります。
現在ではイギリス領のセント・ヘレナ島で暮らす
「ジョナサン」と言う名のゾウガメが、地球上の
存命する動物の中で最高齢とされ、
なんと御年183歳になるそうです。
ゾウガメに多い病気
体の病気
⇒目周辺
ビタミンA不足による結膜炎・角膜炎、床材に
よるアレルギー反応、異物が目に入り細菌性の
炎症を起こす事があります。
涙が出る、充血、濁る、乾燥、腫れ、目が開か
ないなどの症状が一つでも出たら病気を疑い、
病院を受診します。
⇒口周辺
細菌やウイルス感染で起こる口内炎やヘルペス、
ビタミン不足や軟食に偏った餌やり、外傷、代
謝性骨疾患が原因となる不正咬合があります。
口内炎やヘルペスは命に関わる重大な病気の他、
複数飼いしている場合はうつる可能性があるの
で発症した個体は隔離しましょう。
症状のcheck point !
口の中の病斑、粘度のある唾液、膿、鼻水、口
腔内の充血、呼吸困難などは、口内炎やヘルペ
スの症状なので注意します。
また不正咬合ではかみ合わせが悪くなり、餌を
食べるのが困難になるので栄養失調になる恐れが
あります。
症状が進むと変形した骨を元に戻せなくなるの
で、早めに治療しましょう。
⇒耳鼻周辺
気温や湿度の変化、カビや細菌感染、アレルギー
反応などで鼻炎や中耳炎が起きます。
初期の場合は投薬で治療出来ますが、症状が進
むと体内感染する恐れがあり治療も外科手術な
どになるので、早期発見を心がけましょう。
また耳や鼻の病気は再発しやすいので注意します。
鼻水、耳が腫れる、耳垂れなどの症状が出たら
病気を疑いましょう。
⇒呼吸器
鼻炎の悪化で肺炎や気管支炎になる事があります。
呼吸器系の病気は命に関わるので、口呼吸を繰
り返す、呼吸音の異常、元気がないなどの症状
がでたら、迅速に動物病院を受診します。
⇒消化器
運動不足や食物繊維不足による便秘、食中毒や寄
生虫による下痢、免疫力低下による寄生虫感染症、
炭水化物の過剰摂取による鼓張症などがあります。
1週間以上排便がない、食欲低下、嘔吐、排泄物
に血や粘膜が混ざる、足の付け根が張る、ゲップ
などの症状が出ます。
便秘の場合は軽くみられがちですが、脊椎疾患や
腸閉塞、尿結石、誤飲などの重大な原因が潜んで
いる事もあり、便秘が元で直腸脱を引き起こす事
もあります。
消化器の病気を疑う時は、病院に便を持参して検
査してもらいましょう。
⇒泌尿器
尿酸による尿路結石、ウイルスや細菌感染による
腎機能不全・膀胱炎、便秘や下痢、寄生虫感染、
尿結石による総排泄孔脱などがあります。
尿の匂いが強くなる、血尿、頻尿、食欲不振、
下痢、極度の便秘、意識障害が見られます。
重症化すると尿毒症になる恐れがある他、死ん
でしまう事もあるので一刻も早く病院に行きます。
⇒生殖器
栄養不足やカルシウム不足、ストレスなどによ
る卵詰まり・卵管脱、外傷や刺激によるペニス
脱があります。
落ち着いて産卵に挑める場所を用意し、オスの
ペニスが出ている時は騒いだりせず、なるべく
刺激しない様にしましょう。
甲羅の病気
免疫力低下によりカビや細菌が甲羅に感染し、
変色・変形します。
甲羅の病斑、出血、体液が出るなどの症状が挙
げられ、白く変色する事や甲羅が剥がれ落ちる
事もあります。
早期発見・早期治療を心がけましょう。
皮膚の病気
細菌やカビ、ウイルス感染により皮膚感染症や
腫瘍を起こす事があります。出血や変色、甲羅
が剥がれる、穴が開くなどの症状が出ます。
腫瘍になると外科手術で摘出しなければならな
いので、清潔な環境で飼育し病気を予防しましょう。
その他の病気
⇒ケガ
犬や猫の噛み傷、引っ掻き傷に注意する他、
甲羅が割れる事はカメにとって命取りなので、
特に落下事故には注意します。
また体重250㎏にも及ぶ巨体が落下すると思わ
ぬ大事故にも繋がるので、ベランダなどに出す
ときは危険な隙間がないか良く確認しましょう。
その保温ライト等による火傷にも注意します。
⇒誤飲
空腹になると口に入るサイズの物を何でも食べて
しまう事があります。自然に排出される場合もあ
りますが、有毒な物を食べた場合中毒症状や呼吸
困難などの重篤な症状を引き起こす恐れがあります。
ゾウガメの行動範囲内に、口に入る危険な物を置
かない様に注意します。
⇒脱水
高温での脱水状態が続くと内臓疾患を起こす事が
あります。水分補給はしっかりと行いましょう。
長生きさせるコツ
ゾウガメは気温の高い場所に生息しているので、
低温にさらされない様に気を付けます。
飼育適温である25度前後を維持し、35~40度
のホットスポットも用意しましょう。
餌は栄養価やエネルギーが高い物を小分けにし
て1日に数回与えます。日光浴や運動を兼ねて
散歩に連れていくのもいいでしょう。
ゾウガメ散歩してました。
注意点
ゾウガメは、気温の変化などで風邪をひくことがあります。
爬虫類を診てくれる動物病院は少なく体重が250㎏にも達する個体を運ぶのは困難なので、爬虫類やカメに詳しい獣医師が勤務し、往診してもらえる病院を飼育前に調べておく必要があります。
食べかすや床材、ゴミなどが顔周りに付くと皮膚炎などを起こす恐れがあります。
汚れに気づいたら綺麗な布で優しく拭き、常に清潔にしておきます。
まとめ
- ✤ 平均寿命が100年以上の非常に長生きする動物。
- ✤ 温度や湿度の変化で病気になりやすい。
- ✤ 誤飲に注意する。
- ✤ 飼育適温は25度前後。その他35~40度のホット
スポットも必要。
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