中国南部原産の沈丁花は早春に強い香りを放
つ花を咲かせ、春の訪れを知らせてくれます。
爽やかな花の香りは香水としても利用されて
おり、香り豊かな樹木を指す三大香木の一つ
として数えられ、その香りには約150種類も
の成分が含まれているんです。
また丈夫で育てやすく、1年中緑の葉をつける
常緑樹なのでガーデニングや、観葉植物とし
ても親しまれています。
今回そんな沈丁花の
- 植え付け
- 水やり、肥料
- 植え替え
- 剪定
- 増やし方
- 注意する病気や害虫
などをご紹介します。
植え付け
地植え
[用意する物]
- 苗
- 腐葉土
沈丁花の植え付け適期は3月下旬~5月上旬、
9月~10月となり、風通しの良い場所を選び
ます。
- 植え付けの2週間前に土を耕し腐葉土を
混ぜこんで土作りをしておきます。 - 土作りが完了したら、株根に付いた土を
手で優しく崩して植えつけ、たっぷりと
水やりをします。
鉢植え
[用意する物]
- 苗
- 大きめの鉢
- 草花用培養土
- 鉢底石又は軽石
- 植え付け適期である3月下旬~5月上旬、
9月~10月に鉢に鉢底石又は軽石を入れ、
市販の草花用培養土を1/3程入れます。 - 株根に付いた土を優しくほぐし、根が広
がるように植えたっぷりと水やりをします。 - 風通しの良い半日陰で管理しましょう。
水やり・肥料
水やり
地植えの場合は日照りが続く時以外は水やり
の必要はありませが、極端に根が乾燥すると
株が弱ってしまうので生育期である春から秋
は、土の状態をこまめにチェックしましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底か
ら染み出す程たっぷりと水やりをします。
肥料
肥料がなくても育ちますが、開花後の4月に緩
効性化成肥料を与えると翌年の春、新芽が育ち
やすくなります。
また、9月にも同様の肥料を与えると株の成長
を促します。
植え替え
沈丁花は根が細く、傷つけてしまうと枯れてし
まう恐れがあるため地植えの場合は植え替える
必要はありません。
ですが鉢植えの場合は、成長するに従って株と
鉢のバランスが悪くなり根詰まりをおこす事が
あるので、水やりしても土に染み込みにくくなっ
たらひと回り大きな鉢へ植え替えます。
丁寧に鉢から株を取り出し、根に付いた古い土
を優しく落として植え替えましょう。
剪定
沈丁花は自然と樹形が整うので剪定の必要はあ
りませんが、枝が混み合うと風通しが悪くなり
病害虫が発生しやすくなってしまうので、開花
後すぐに、混み合った枝を付け根から切り間引
きします。
ただし、あまり沢山枝を切り過ぎると木が弱り
枯れてしまうので注意が必要です。
沈丁花(じんちょうげ)の剪定
増やし方
沈丁花は挿し木で増やす事が出来ます。
適期は4月、7~8月で、剪定の際間引いた枝か、
前年度に伸びた若い枝を使用します。
枝を斜めに切り、先端に付いている葉を2~3
枚残したら後は全て切りとって赤玉土に挿し木
し水やりをします。
乾燥しないように水やりをして管理し、発根し
たら定植します。
注意する病気や害虫
病気
・黒点病
高温多湿となる梅雨の時期に発生しやすく、
葉や茎に黒い斑点が出来、やがて斑点は大
きくなり発症した葉は落ちてしまいます。
株や花にも深刻な生育障害を与え、1度感染
してしまうと治療法がない厄介な病気です。
発生した部分は回復しないので、見つけ次
第切り取り処分し薬剤を散布して被害拡大
を防ぎます。
・白紋羽病
4月~11月に発生する樹木の病気です。
土壌に生息し株根に症状が表れるので早期
発見が難しく、症状が進むと根が腐敗し樹
木が枯れてしまいます。
発病してからの治療は困難で、土壌感染す
るため他の植物へ移る恐れもあります。
病気に感染した株は抜き取り処分し、土に黒
いビニールを掛けて太陽光で殺菌しましょう。
害虫
・アブラムシ
4~6月、9~10月に発生しやすく、葉や茎の
養分を吸い取って植物の生育不良をおこします。
また、ウイルスや他の厄介な病気の媒介する
厄介な害虫です。
繁殖力が非常に強く、1~2週間で大量発生す
る恐れもあるので、早期発見・早期駆除がと
ても大切です。
アブラムシを見つけたらガムテープなどでくっ
つけて捕殺し、大量発生した場合は薬剤を散布
し駆除しましょう。
・ハマキムシ
4月~11月に発生し、葉をつづって巻き植物
の美観を損ねるばかりか、巻いた葉の中に潜
み葉や花を食害します。
集団行動はせず幼虫は個別に活動しますが、
成虫は1度の産卵で200粒以上の卵を並べて
産むので突如大量発生する恐れがあります。
発見が遅れると全ての葉がつづられてしまい
植物は枯れてしまうので、早期発見で被害を
最小限に抑えましょう。
葉をつづり、中に幼虫が入ってしまうと薬剤
が効きずらいので葉ごと切り取り処分し、卵
を見つけた場合も同じく処分します。
まとめ
✽ 3月下旬~5月上旬、9月~10月に風通しの良
い半日陰に植え付ける。
✽ 極端に根が乾燥すると株が弱ってしまうので、
土の状態をこまめにチェックする。
✽ 4月と9月に緩効性化成肥料を追肥する。
✽ 根が細く、傷つけてしまうと枯れてしまう恐れ
があるため植え替えは慎重に行う。
✽ 開花後すぐに、混み合った枝を付け根から切り間引く。
✽ 4月、7~8月で、剪定の際間引いた枝か、前年
度に伸びた若い枝を使用し挿し木する。