ヒマヤラ山麓原産のウリ科植物である
きゅうりは、日本でも平安時代から栽培され
ており、漬物や寿司などの日本食料理でも親
しまれる食材です。
その栄養価は果実の90%以上が水分で出来て
いるため「世界一栄養価の低い野菜」として
ギネスブックに認定されているそうです。
ですが、
塩分を体外に排出すてくれるカリウムや脂質
分解酵素であるホスリパーゼが含まれている他、
アルコール代謝を促す働きもあり、ダイエット
目的や二日酔い時にピッタリな食材です。
今回そんなきゅうりの
- 植え付け
- 水やり・肥料
- 支柱立て
- 誘引
- 剪定
- 収穫
- 注意する病気や害虫
などをご紹介します。
植え付け
種植え
[用意する物]
- 種
- セルトレイ(育苗ポット・育苗箱)
- 野菜用培養土
植え付けの適期は4月上旬~5月です。
- セルトレイに市販の野菜用培養土を入れ、
1粒ずつ種をまいたら軽く覆土します。 - 水やりをしたら土が乾燥しないように注意
しながら管理し、発芽したら日当たりの良
い場所に移動させます。 - 本葉が3~4枚育ったら鉢や地面に定植しま
しょう。
苗植え
地植え
[用意する物]
- 苗
- 苦土石灰
- 腐葉土
- 化成肥料
- 堆肥
- マルチフィルム
ウリ科の植物は連作障害をおこしやすいので、
過去2~3年の間にウリ科植物を植えた事のな
い場所に植えつけます。
連作障害の詳細はこちらの記事をご覧下さい。
植え付け適期である4月上旬~5月、植え付けの
2週間前から土作りを始めます。
- 土をよく耕し苦土石灰を混ぜこみ1週間
寝かせ、土に化成肥料と堆肥を混ぜ幅1m
高さ10~20㎝程の畝を作りマルチフィル
ムを敷き、さらに1週間寝かせます。 - 株間を50㎝以上とりフイルムと土に苗よ
り少し大き目の穴を開け、根を崩さない
ように丁寧に苗を植え付けてたっぷりと
水やりをします。
鉢植え
[用意する物]
- 苗
- 大きめの鉢(60㎝以上のプランター)
- 野菜用培養土
- 鉢底石又は軽石
きゅうりは根を浅く広く張るので、10~12号
鉢に1株、60㎝プランターに2株を目安に植え
つけます。
植え付け適期である4月上旬~5月、鉢に鉢底
石又は軽石を入れ野菜用培養土を入れ苗と同
サイズ程度の穴を開けます。
やや浅植え気味に苗を植えつけたらたっぷり
と水やりをし、日当たりと風通しの良い場所
で管理しましょう。
きゅうりの育て方【コメリHowtoなび】
水やり・肥料
水やり
きゅうりは果実の殆どを水分が占めている事
からも分かるように、多くの水を欲しがり水
切れに弱いです。
根が定着するまでは毎日水やりをし、その後
は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをし
ます。夏場の乾燥している時は土の状態を見
て、朝夕2回の水やりしましょう。
肥料
きゅうりは成長に沢山の肥料を必要とします
が、根が浅いため1度に大量に肥料与えると
根焼けをおこしてしまうので、少量をこまめ
に与えます。
植え付けの際土に元肥を混ぜこみ、その後2週
間に1回化成肥料を施すか、1週間に1回薄めた
液体肥料を水やり代わりに与えます。
支柱立て
きゅうりは弦を上へ伸ばしながら成長し重量の
ある実をつけるため、植え付けから1週間程経っ
たら支柱を立てる必要があります。
地植えの場合は三角形になるように交差させる
合掌型に支柱を組み、土に深く差し込んで安定
させます。
鉢植えの場合はタワー仕立てに支柱を組むか、
ドーム状の支柱、鉢と支柱がセットになって
いる物などを利用します。
誘引
弦が伸びてきたら支柱へ誘引して絡ませ、最初
のつるは紐で支柱に結びます。こうする事で自
然とつるが支柱に絡んでくれますよ。
剪定
・摘葉
葉が茂って混み合ってくると病害虫や株の
生育不良の原因となるので、古い葉や枯れ
た葉を中心に摘み取っていきます。
ただし、1度に沢山の葉を摘み取ると株が
弱ってしまうので、1日2~3枚を目安に摘
葉しましょう。
・摘心
きゅうりの草丈が大人の背丈を超えると管
理が大変になるばかりか栄養が流れてしま
うので、先端についている芽を摘み取り成
長をとめ、それ以上大きくならないように
します。
切り取った傷口から病気に感染する事を防
ぐため、摘心は良く晴れた日の早朝に行い
ましょう。
収穫
収穫期は6月上旬~9月下旬で、果実が15~
20㎝程に成長したら収穫します。
収穫が遅れると大きく成長しすぎ味が落ちる
ので、こまめに収穫しましょう。
注意する病気や害虫
病気
・べと病
梅雨時期などの多湿環境で発生しやすく、葉
の表面に黄色い斑点が現れ葉裏にはカビが発
生します。
胞子が飛び散り空気感染、土壌感染するので
発病した部分はすぐに切り取り処分し、薬剤
を散布し殺菌します。
・うどんこ病
4月~11月に発生する病気で、ほとんどの植
物に寄生します。
葉の表面にうどん粉をまぶしたような白いカ
ビが生え、やがては生育不良をおこし枯れて
しまう事もあります。
発病した葉はすぐに切り取り処分し、定期的
に薬剤を散布する事で予防します。
害虫
・ウリハムシ
体長7~8mmのウリ科植物に現れる虫で、葉
や果実を食害し穴だらけにしてしまいます。
植え付け直後の苗が被害にあうと、生育不良
をおこしてしまうので、防虫ネットなどで飛
来を予防します。
また、繁殖力が強いため発生してしまったら
成虫は捕殺し、幼虫は薬剤で駆除しましょう。
・ミナミキイロアザミウマ
体長1~2mmの小さな虫で、植物の葉や茎、
花、果実の栄養を吸い取ってしまいます。
また、それによる被害の他様々な病気やウ
イルスを媒介する厄介な害虫です。
繁殖力が非常に強く、1回の産卵で200個程
の卵を産み、その卵から孵ったアザミウマが
10~14日で産卵というサイクルを繰り返す
ため、突如大量発生する恐れがあります。
網目が1mm以下の防虫ネットを張り成虫の
飛来を防止し、大量発生した場合は薬剤を
散布し駆除しましょう。
まとめ
✽ 植え付け適期の4月上旬~5月、過去2~3年の
間にウリ科植物を植えた事のない場所に植えつける。
✽ 根が定着するまでは毎日水やりをし、その後
は土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをする。
✽ 2週間に1回化成肥料を施すか、1週間に1回薄
めた液体肥料を水やり代わりに与える。
✽ 植え付けから1週間程経ったら支柱を立てる。
✽ 弦が伸びてきたら支柱へ誘引して絡ませ、
最初のつるは紐で支柱に結ぶ。
✽ 生育不良を予防するため、1日2~3枚を目安
に摘葉する。
✽ 良く晴れた日の早朝に摘心し、草丈が大人の
背丈を超えないようにする。
✽ 6月上旬~9月下旬、果実が15~20㎝程に成
長したら収穫する。