フトアゴヒゲトカゲを飼育する際、非常に気
を付けていただきたいのが脱水症状を
起こさないようにする事です。
しかしフトアゴヒゲトカゲは、犬や猫のよう
にゴクゴクと水を飲んではくれず、飼育ケー
ジ内に水入れを置いておくだけではなかなか
水分を取ってくれない個体も少なくありませ
ん。
そこで、フトアゴヒゲトカゲを脱水症状にさ
せないための対策方法をご紹介いたします。
効率よく水分を摂取してもらい、脱水症状を
バッチリ予防しておきましょう!!
脱水症状が起こる原因は?
フトアゴヒゲトカゲは紫外線を浴びる事で
体内で必要な栄養素を生成しています。その
ため、フトアゴヒゲトカゲにとって日光浴は
生きていく上で欠かせない行動となっている
のですが、この日光浴こそが脱水症状の原因
となるのです。
自然界でなら、フトアゴヒゲトカゲが日光浴
の際に「暑い」と感じれば、石の下や木の陰
に自ら移動して体を冷やす事が可能です。
しかし、飼育ケージの中で身体をすっぽりと
隠せる場所が見つからない場合、そのまま日
光を浴び続け、いくら熱さや乾燥に強いフト
アゴヒゲトカゲと言えど水分不足になり、し
まいには脱水症状に陥ってしまうという訳で
す。しかも酷暑が続く夏場にベランダ等で日
光浴をさせる場合は、尚更気を付けなければ
いけません。
これは、フトアゴヒゲトカゲの身体を温める
為に設置するバスキングライトを浴びる時で
も同様で、ライトの下に長く居続けるとやは
り脱水症状を起こしてしまいます。
バスキングライトはフトアゴヒゲトカゲの健
康維持に欠かせない物なので、脱水症状に陥
ってしまうのを予防しつつしっかりと照射し
てあげてくださいね。
また、フトアゴヒゲトカゲは水入れ等の容器
に入った水をあまり飲んでくれません。
と言うのも、フトアゴヒゲトカゲは流れる川
や湖のように動いている水でないとあまり見
えていないようで、容器に入った水がユラユ
ラと揺れて光が反射している状態であれば
「そこに水がある」と認識できるようです。
脱水症状の予防方法は?
それでは、フトアゴヒゲトカゲが脱水症状を
起こさないようにする予防方法をご紹介いた
します。普段からしっかりと対策をしておい
て、大切なペットを脱水症状から守りましょ
うね!!
飼育ケージ内に日陰になる場所を作る
フトアゴヒゲトカゲが脱水症状を起こす一番
の原因は、日光浴の際に自身で体温調節がし
づらいといった点にあります。ですから、自
ら身体を隠せるような日陰を飼育ケージ内に
用意してあげると、体温が上がり過ぎるのを
防ぐ事が可能となります。
こちらのシェルターは上部のくぼみに水を入
れると、素焼き製の本体全体に水がしみわた
り、シェルター内の湿度を90%以上に保つ事
が可能です。
日光に当たり過ぎるのを防ぐ隠れ家になり、
同時に水分も補給できる優れものなので、ケ
ージ内にひとつ設置しておくと安心ですね。
湿度を十分に保つ
飼育ケージ内の湿度を適正に保つ事も大切で
す。霧吹きでケージ内にお湯を吹きかけて、
湿度を60~70%程度に保湿してあげてくだ
さい。
ただしあまり吹きかけすぎると、フトアゴヒ
ゲトカゲの身体を必要以上に冷やしてしまう
恐れがあります。身体に直接吹きかけてしま
わないよう注意しながら霧吹きを使用してく
ださいね。
また、ケージ内の床材をバークチップ・赤玉
土・ヤシガラ等の保湿性の高い床材にしてみ
たり、湿らせたミズゴケを入れた容器を設置
しておくのも良いですよ。
ヤシの実の外側を砕いて作られた、生き物に
全く無害な天然素材100%の床材です。
保水性に優れているので、ケージ内の湿度を
しっかり保ってくれます。
水分を多く含んだ食事を与える
水を直接飲む事が少ないフトアゴヒゲトカゲ
にとって、水分を補給するには野菜を食べる
事が重要となってきます。普段の食事で小松
菜やオクラにインゲンのような水分を豊富に
含んだ野菜をたっぷりと食べさせてあげると
良いでしょう。
キャベツやレタス等も水分の多い野菜なので、
水分補給という点では優秀です。
しかしリン酸の含有量が高い為、あまりたく
さん与えないようにしてあげてくださいね。
スポイトで直接水分を与える
フトアゴヒゲトカゲは水の入った容器を用意
しておいても、なかなか自分からは水を飲ん
でくれない生き物です。もし飼い主さんが水
分不足な状態だと感じたら、シリンジやスポ
イトのような先が細くて口の中に直接水を注
入できる物で水を飲ませてあげてください。
スポイトでフトアゴヒゲトカゲの口元に水を
垂らしてみて、ゴクゴクと水を飲むようでし
たら水分不足に陥っている証拠です。そんな
時は、一気に口の中に水を注入してしまうと
フトアゴヒゲトカゲが飲み下せず溺れてしま
うので、ゆっくりと飲ませてあげてください
ね。
脱水症状を防ぐ一番のポイントは、日光浴中
も体温が上昇し過ぎてしまわないよう飼い主
さんがしっかりと観察し、日頃の食事で水分
を十分に補給してあげる事です。
また、なんだか元気が無かったり、エサをあ
まり食べなかったりといつもと様子が違うと
感じた場合は、すぐに爬虫類の診察が可能な
動物病院に連れて行ってあげてください。