小さく愛くるしい姿のハムスターは
飼育しやすい事からペットとして人気の小動物
ですが、その可愛らしい見た目とは裏腹に共食
いという恐ろしい習性をもちます。
間違えた飼育法の元では
大切な家族の一員であるハムスターを亡くす事
があるので、共食いをする習性と本能をきちんと
理解して対策をしなければなりません。
そこで今回ハムスターの
- 共食いの原因
- 防止対策
などをご紹介します。
共食いの原因
多頭飼育による共食い
ハムスターはネズミと同じ齧歯類ネズミ亜目
ネズミ科に分類されますが、野生下ではネズ
ミと違い集団生活はせず単独で暮らす為、
非常に縄張り意識が強くデリケートな性格を
しています。
また弱肉強食の世界では弱者側に属する為
常に外敵に警戒する必要があり、同種であって
も自分のテリトリーに入って来た者は敵と見な
すのです。
かなりの広範囲を自分の縄張りとして主張する
為、野生下では弱者は追い出されるだけで致命
傷にはなりませんが、
飼育下の狭いゲージ内では逃げ場が無く一方が
死ぬまで攻撃を続け、その結果敗北した方の死体
は強者にとっての餌でしかなくなり食べられます。
この様に餌として食する事が目的で殺生するの
ではなく、縄張りから排除しようとした結果
死んだ方の個体が餌に変化するので、餌不足が
原因で共食いが起きる訳ではないのです。
親による子食い
ハムスターは1度の出産で2~12匹の子供を産む
為、小さい体にかかる負担は大きく非常に大量
の栄養を必要とします。
一般的には出産・育児期の母体は通常の倍近くの
量の餌が必要とされており、その栄養が不足する
と子育てが出来なくなるので全滅を避ける野生の
本能が働き、栄養補給の為必要分の子を食べてし
まうのです。
その他
育児中に刺激を与える事でストレスを感じ育児放棄、
飼育者が赤ちゃんを触った事により人間の匂いが付き、
自分の子供を敵と勘違いして攻撃する事もあります。
防止対策
基本は単独飼育
ハムスターは縄張り意識が非常に強い為、基本
的には単独で飼育をします。
人間が思うよりもかなりの広範囲を自分のテリ
トリーにするので、ゲージが広いからといって
も多頭飼育するのはお勧めしません。
縄張り争いは本能的な物なので、暫く仲良く共
同生活していても突如争いだし、気づいた時に
はどちらか一方がバラバラになっていたという
のは良くある事なのです。
同じ種類同士なら同居可能と言われる事もあり
ますが、常に共食いの危険性がある事を覚えて
おきましょう。
一匹だけでは寂しいだろうと複数匹同ゲージ内
に入れるのは人間の価値観とエゴであり、広い
縄張りに単独で生活する本能と習性を持つハム
スターには、多大な迷惑となりストレスから健
康を害する恐れもあります。
適切な餌の管理
体の小さいハムスターが1度に10匹程度の子供
を産み育てるという事は相当量の栄養が必要な
ので、妊娠・出産・育児期のハムスターには
常に余るほどの量の餌を与えます。
また、
たんぱく質が不足した時にも共食いが起こりや
すいと言われているので、餌の他にミールワー
ム等も与える様にしましょう。
母体にストレスを与えない
妊娠中や産後の母体は気性が荒く、神経質になっ
ています。この時期に飼育者が頻繁にのぞき込
んだりかまい過ぎたりすると大きなストレスを
感じ、育児放棄をしてしまう事があります。
最低でも産後1週間は
近寄らずに遠くから見守ります。
子育ては全て母親である個体が行うので、基本的には飼育者の手出しは無用
赤ちゃんが巣箱から迷い出た場合などどうして
も人間の手助けが必要な時は、絶対に素手では
触らずティッシュペーパーを巻いた割り箸等で
そっと戻してあげます。
カップル 大喧嘩 ♪ジャンガリアン ハムスター♪ Large quarrel. Hamster
まとめ
- ✤ 野生下では単独で生活している為、縄張り争い
の結果共食いをする。 - ✤ 産後の栄養不足やストレスで、母親が子供を食
べる事がある。 - ✤ 基本的には単独飼育をする。
- ✤ 妊娠から育児期にかけては餌を多めに与え、
ストレスを与えない。 - ✤ ハムスターの赤ちゃんを人間が素手で触っては
いけない。
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