観賞魚の中でも知名度の高いベタですが、
その美しい姿を見ていると繁殖させたいと
思う方も多いのではないでしょうか。
自家繁殖させる事により、さらに美しさが際
立つ個体が生まれたり、可能性として新しい
品種が誕生する事もあるんです。
そこで今回ベタを繁殖させる際
- 繁殖前の注意点
- 用意する物
- オス、メスの判別法、親魚の選び方
- 水槽の準備
- お見合い~産卵
- 稚魚の飼育
- インフゾリアの湧かせ方
などをご紹介します。
繁殖前の注意点
ベタは繁殖に成功するとかなりの数になり、
100匹や200匹の稚魚を育てる事になる可能
性もあります。
その数の稚魚を管理するのは大変ですし、
成魚のベタは気性が荒い闘魚のため多頭飼育
出来ません。
繁殖させた稚魚の引き取り先を確保してから
挑戦しましょう。
用意する物
蓋つきの水槽(30㎝以上)
普段飼育している水槽とは別に、30㎝以上の
水槽を準備します。
オスが発情してメスを追い回し、驚いたメスが
逃げ回り水面を10㎝以上も跳ねる事もあるので、
蓋が付いた水槽を選ぶ事をおススメします。
ヒーター
通常ベタの飼育には25度前後の水温が適していま
すが、繁殖の際は27~28度に水温を上げます。
水草
ベタのオスは発情すると、水面に稚魚を育てる為
の泡巣を作ります。その際泡巣が固定されやすい
ように、水草や浮草を入れます。
オス、メスの判別法、親魚の選び方
オス
トラディショナルベタやショウベタのオスは、
生後1~2ヶ月程経つと尻ビレが伸びてきます。
ペアリング前の単独でも、泡巣を吹いて発情
している元気な個体を選びましょう。
メス
メスのベタは尻ビレが伸びない個体がほとんど
ですが、稀に伸びる事もあります。しかしメス
にはお腹側に、産卵管という白い突起物が確認
出来ます。
お腹が大きく膨れ、卵巣が透けて見えている個
体を選びましょう。
水槽の準備
- 水槽にカルキを抜いた水を、水深が15㎝
程になる様に入れます。 - ヒーターを取り付け、水温を27~28度に
設定します。 - 水草や浮草を沢山浮かべます。
お見合い~産卵
お見合い
水槽の準備が完了したらオスの個体を先に入れ
ます。ここでメスも一緒に水槽に入れてしまう
と、相性が悪い場合一瞬にしてオスに殺されて
しまうので注意します。
メスを別の透明な容器に入れ、お互いが見える
ように設置してお見合いをさせます。
発情しているオスは、メスを発見するとヒレや
エラを広げて威嚇・求愛(フレアリング)を始め、
オスの求愛に答えたメスは体にシマ模様が出て
きます。
ペアリング
お見合いによりお互いがお互いを求愛して
1~2日経つと、オスは泡巣を大きく作ります。
泡巣の大きさが5㎝程になったら同じ水槽に入
れましょう。
オスはお見合いの時同様フレアリングし追い
かけまわし、メスは逃げ回ります。
しかし猛アタックを掛けられているうちに泡
巣の下に導かれ、交尾、産卵となります。
産卵
産卵にはかなりの体力を使い、メスは産卵す
ると失神してしまいます。するとオスはメス
を冷たく追い払うばかりか殺してしまう事も
あるので、産卵後はメスを別の水槽に移して
あげます。
また、激しい求愛により出来た体の傷から
感染症にかかりやすくなるので、薬浴させて
休ませてあげましょう。
ベタの産卵
稚魚の飼育
- 産卵後通常2~3日で卵が孵化します。
この時の稚魚はまだとても小さく、自分で餌
を食べられませんが、お腹に栄養が蓄えられ
ているので安心して下さい。
- 生まれたての稚魚は泡巣にぶら下がり、時には
泡巣から落ちて沈んでしまった所を父親である
オス魚に助けられながら過ごします。
孵化から2~3日経つとお腹の栄養もほとんど
吸収され自ら泳げるようになるので、ここで
オス魚の育児は終わります。
- 稚魚をすくわないように親魚を取り出し、別の
水槽に入れて休ませてあげましょう。 - 生まれたての稚魚はまだ固形物を食べられない
ので、インフゾリア(微生物)を与えます。
生後10日程経つと人工飼料をすり潰した粉餌を
食べられるようになるので、タイミングを見て
切り替えましょう。
インフゾリアの湧かせ方
- 水槽の水を別の容器に入れます。
- キャベツやレタスを小さくちぎって入れ、
数日放置します。
葉の周りに沸いた白いモヤモヤがインフゾリア
なので、スポイトですくって与えます。
まとめ
- ✤ 繁殖に成功すると数百匹の稚魚が誕生するので、
引き取り先を確保してから挑戦する。 - ✤ 30㎝以上の水槽に水草を沢山浮かべ、水深15㎝
程の水を27~28度に保つ。 - ✤ 単独でも泡巣を吹いているオスと、お腹が膨れ
卵巣が透けて見えているメスを選ぶ。 - ✤ 相性が悪い場合を考え、オスとメスを別の容器に
入れてお見合いさせる。 - ✤ 産卵が済んだらメスは別の水槽に移す。
- ✤ 稚魚が自分で泳げるようになったら、オスを別の
水槽に移す。 - ✤ 生後10日程までは微生物を与える。
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