タイのメコン川流域原産のベタは
古くから観賞魚として知名度が高く、目の覚
める鮮やかな体色と優雅で気品のある体形が
大変人気の熱帯魚です。
正式には「ベタ」と言う名はタイの方言で
和名は「闘魚」と言い、その名の通り気性が
荒く攻撃的な性格をしているので、タイでは
あえて混泳させ戦わせ、賭けの対象とする遊
戯もあります。
また、
より強い品種を作り出すために交配を繰り返
した副産物として、非常に美しい個体が誕生
し「ベタコンテスト」と言う世界大会が開催
される程の人気ぶりです。
飼育法は非常にシンプルで初心者にも挑戦し
やすいと言われていますが、いくつかポイン
トを押さえなければ、病気などですぐに死ん
でしまう事になります。
そこで今回ベタを飼育する際
- 飼育前の注意
- 用意する物
- 水槽立ち上げ、導入
- 餌やり
- 日々の管理
- 繁殖
- 寿命
- 美しいベタを育てるには
- 注意点
などをご紹介します。
飼育前の注意
ベタはエラブタの中に「ラビリンス器官」と
呼ばれる空気呼吸をする器官を持つ為、空気
中から直接酸素を得る事が出来ます。
その為水中の溶解酸素が少ない環境でも飼育
出来るので、熱帯魚ショップなどではコップや
小さいグラスに入って販売される事が多いです。
しかし
この飼育法はそれなりの専門的知識が必要で、
お店ではプロの管理が行き届いている為安易に
素人がコップ飼育をしてはいけません。
元気で長生きさせる為にも水槽で飼育しましょう。
用意する物
水槽
ベタは縄張り意識が強い為、同種多種問わず
混泳させると攻撃を仕掛けます。
特にベタのオス同士を多頭飼育するとどちら
かが死ぬまで戦い続ける事があるので、基本
的に1つの水槽に1匹で飼育します。
その為30㎝程度の小型水槽での飼育が理想です。
また突然水面を10㎝以上も跳ねる事がある為、
必ず蓋付きの水槽を選びましょう。
ろ過装置
ベタは比較的水質の悪化や酸欠に強いという特
性を持っていますが、過度に汚れた水は病気の
原因となるので、ろ過装置を設置した方が飼育
が楽になります。
しかしベタの様に観賞用に品種改良された熱帯
魚は水流が苦手な為、水流が弱いタイプの物を
選びましょう。
冷暖房器具
ベタの飼育に適した水温は25度前後、繁殖時は
27~28度となるので、必要に応じて冷暖房器具
を取り付け適正水温を維持する必要があります。
水槽立ち上げ、導入
水槽立ち上げ
設置したばかりの水槽には、水質を浄化して
くれるバクテリアがいません。
その状態では魚に非常に負担がかかるので、
「水槽立ち上げ」という作業をしてバクテリ
アを定着させる必要があります。
[立ち上げ方]
- 水槽や水槽内に入れる器具を水でしっか
り洗います。 - 水槽にろ過装置や冷暖房器具を設置します。
- カルキを抜いた水を入れ、ろ過装置・冷暖
房器具を作動させます。 - そのまま2~3週間放置します。
導入
水槽の立ち上げが完了したら水槽にベタを導入
しますがこの時、水質や水温を合わせてあげな
ければ個体に負担がかかってしまいます。
- 購入したベタを袋のまま飼育水槽に30分程浮
かべ水温を合わせ、その後袋の中に少しずつ
水槽の水を入れます。 - 10分おきに水を足してゆき、水質合わせが完
了したら袋の中からベタのみを水槽に移します。
餌やり
野生下のベタはプランクトンや昆虫の幼虫などを
食べる肉食寄りの雑食性ですが、飼育下でその様
な餌を用意するのは困難な為人工飼料を与えます。
ベタの餌の種類やおススメの餌などは、
こちらに詳しくまとめたのでご覧ください。
日々の管理
ベタは多少水質が悪化しても生きられ、過度な
水替えを好みません。
また、水替えによる水質・水温の急激な変化は
病気の素となるので、水替えは週に1回、1/3程
度にします。
しかし日々餌の食べ残しや排泄物で水は汚れる
ので、それらはスポイトでその都度取り除きます。
水槽に入れる水は必ず水温を合わせておきましょう。
繁殖
ベタはメスが産卵した後、オスが卵を守り育児
をします。交尾・産卵・孵化の光景はとても情
熱的で感動しますが、繁殖の手順にはいくつか
重要なポイントがあります。
繁殖法について
こちらに詳しくまとめたので、ご覧ください。
寿命
丈夫で飼育しやすい魚のベタですが、寿命は短
い方に分類されます。
ベタの寿命や長生きさせるコツなどをこちらに
詳しくまとめたので、ご覧ください。
美しいベタを育てる
ベタは威嚇や求愛をする時にヒレを大きく広
げる「フレアリング」という動作をしますが、
フレアリングをする機会が少ないとヒレが固
まってしまい、上手く開かなくなってしまいます。
しかし同種に対し非常に好戦的な為、混泳させ
るとどちらかが再起不能になるまで戦ってしま
うので、鏡を使い自分の姿を見てフレアリング
させます。
実家のベタに鏡を見せてみた(フレアリング)
注意点
フレアリングは非常に体力を使うので、1日1回10分程度にします。
フレアリング後は必ず鏡を回収しましょう。
まとめ
- ✤ ベタはコップやグラスで販売される事が多い
が、その様な飼育法は上級者向け。 - ✤ 気性が荒いため、単独飼育をする。
- ✤ バクテリアを定住させる水槽立ち上げを行う。
- ✤ 水質、水温を合わせて導入する。
- ✤ 水替えは週に1度1/3程度行う。
- ✤ 鏡を使いフレアリングさせ、美しさを保つ。