体長2~4.5㎝の小型のアマガエルは、日本、
朝鮮半島、中国東部に分布し、その鳴き声や
姿は歌やモチーフにもなり広く知られています。
子供の頃に田んぼや川などの水辺で、アマガ
エルを捕まえて遊んだ記憶がある方も多いの
ではないでしょうか。
しかしこのアマガエルは
皮膚に毒を持っているんです。
そこで今回アマガエルの
- アマガエルの毒
- 症状
- 予防方法
- ペットがアマガエルを食べてしまった場合
- 注意点
などをご紹介します。
アマガエルの毒
アマガエルを含むカエルやイモリなどの両生類
は、細菌やウイルスなどの微生物から体を守る
為、粘膜に覆われた全身の皮膚から毒を分泌さ
せています。
両生類であるアマガエルは、常に皮膚が湿って
おり細菌やウイルスが繁殖しやすいので、体内
に抗菌ペプチド、抗菌性ヒストンなどと言った
抗菌性のたんぱく質を豊富に持っています。
この抗菌性のたんぱく質は通常、生命維持や
生殖機能に必要不可欠な働きをしているのです
が、何らかの刺激等で体外に出ると細胞を溶か
す毒液に変化するのです。
症状
アマガエルの毒は、細菌やウイルスなどの微生
物から体を守る為の物なので毒性は弱く、微生
物ではない人間が触れても生命に関わる様な恐
ろしい状態にはなりません。
しかし
細胞を溶かす働きがある毒なので、目や口、傷
口などの細胞や粘膜が剥き出しになっている場
所に触れれば激痛や炎症を伴う事もあり、最悪
の場合失明してしまう恐れがあります。
予防方法
基本的にアマガエルに触れただけでは何の問題
もありませんが、弱いとは言え毒を持っている
ので、最低限の予防法として
- 手に傷がある場合はアマガエルに触れない。
- アマガエルを触った手で目や口を触らない。
- アマガエルを口に入れない。
- アマガエルを触った後は、必ず手を洗う。
以上の事を心がけましょう。
ペットがアマガエルを食べてしまった場合
犬を散歩させる時はリードなどに繋いでいると
思いますが、好奇心旺盛で動く生き物に興味津
々な犬は、道端に居るカエルを舐めたり口に咥
えたり、場合によってはつい食べてしまう事も
あるようです。
猫の場合も放し飼いにしていると、何食わぬ顔
をして帰ってきても外では狩猟本能から動く
カエルを捕食している可能性が高いです。
毒性が強いヒキガエルを食べてしまうと命に関
わる中毒を起こす事がありますが、毒性の弱い
アマガエルを口にした場合も、口腔内の刺激や
炎症を起こす恐れがあります。
重症化する事はあまりないですが、すぐに口の
中を洗浄し動物病院に連れていきましょう。
カエルの毒以外の心配するべきこと
また怖いのはカエルの毒だけではなく、野生
のカエルは100%寄生虫の宿主になっている
ので、寄生された個体を食べた犬や猫の体内
で寄生虫がどんどん成長していく可能性もあ
ります。
中には寄生されると駆除するのにかなりの時間
と薬を使用しなければならない虫もいるので、
犬がカエルと戯れて居たら直ぐにやめさせ、猫
は出来るだけ室内で飼育します。
体内に寄生虫がいると様々な悪影響を及ぼすの
で、カエルを食べたり口にした場合は必ず動物
病院に相談しましょう。
アマガエルとまるちゃん
注意点
ペットがアマガエルを口にして寄生虫に感染して
も、症状が出ない事があります。
しかし一時的に症状が出なくても、寄生虫の成長
は進んでいる事があるので、自己判断はせず必ず
動物病院を受診します。
まとめ
- ✤ 両生類は微生物から体を守る為、毒を持っている。
- ✤ 毒性は弱いが、細胞を溶かす働きがある。
- ✤ 毒が傷口や目、口に触れると激痛や炎症を伴い、
最悪の場合失明する。 - ✤ アマガエルを触った後に、口や目を触らないよう
にする。 - ✤ アマガエルを触った後は必ず手を洗い、傷がある
手では触れない。 - ✤ 犬や猫がアマガエルを口にすると、刺激や炎症を
起こすので注意する。 - ✤ 野生のアマガエルには必ず寄生虫がいるので、
ペットが口にして感染しない様にする。
アマガエルの関連記事