アフリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネ
シア、フィリピンなど森林から砂漠まで
世界中の様々な環境に生息するハリネズミは、
手のひらサイズに短い手足、つぶらな瞳が愛
らしく、ペットとして人気を高めています。
ネズミという名前がついていますが、
ネズミの仲間ではなくモグラと同じ食中目に
分布され、見た目の可愛さとは裏腹に昆虫な
どを主食としているんです。
世界中で古くから愛玩動物として親しまれて
いるハリネズミですが、日本ではまだペット
としての歴史が浅く、もしもの時に診てくれ
る動物病院も少ないのが現状ですので日頃の
健康チェックや病気予防、飼育知識が大切に
なってきます。
そこで今回ハリネズミの飼育について
- ハリネズミの選び方
- 用意する物
- 夏眠、冬眠対策
- ハリネズミの餌
- 日々の管理
- 寿命
- 注意する病気
などをご紹介します。
ハリネズミの選び方
ハリネズミは様々なペットショップ、ブリー
ダー、専門店などで購入出来ますが、
海外から輸入された個体は小スペースで大量
繁殖されているなど飼育環境が粗悪な場合が
多く、見た目では分かり辛い病気やケガをし
たまま販売されている事もあります。
購入場所は優良店を選び、1つのゲージで
沢山のハリネズミが飼育されていないか、
体系・行動に異常はないかなどをチェック
してから購入しましょう。
用意する物
- ラビットゲージ、水槽
ハリネズミは群れで行動せず単独で生活する
習性があるので、多頭飼いをするとストレス
を感じてしまいます。
1匹に対し1ゲージ用意し、寝床や餌、運動
器具などを置くスペースを考え60~90㎝の
ゲージを目安に用意しましょう。
- 床材
ゲージの床上に敷く物を床材と言い、猫用ト
イレ砂やウッドチップ、ペットシーツなどが
ありますが、ハリネズミは針葉樹にアレルギー
があるのでヒノキの猫砂などは使用しないよ
うにします。
また、広葉樹も細かい埃が出てアレルギーを
おこす事があるので注意します。
床材はトイレの代わりにもなりこまめに掃除
をする必要があるので、予算に合った物を選
びましょう。
- 寝床
ハリネズミは物陰を巣に選ぶので、安心して
休息・睡眠出来る隠れ家が必要です。
出入りしやすく、体を伸ばしても窮屈じゃな
いサイズを選びます。
- 回し車
ハリネズミは活発に餌を探し回る運動量の多
い動物なので、飼育下では運動不足解消のた
め回し車を設置します。
また夜行性で最も活発に活動するのが夜中な
ので、少しでも音が静かなサイレントホイール
などを設置するのも良いかもしれません。
- 餌皿、水皿
餌皿や水皿は小さすぎたり底が深すぎたりする
と、ハリネズミにとって負担になってしまうの
で、適度なサイズを選びます。
給水ボトルを付ける場合は、ゲージによっては
設置出来ない物もあるので、よく確認してから
購入しましょう。
- 暖房器具
ハリネズミは暑さや寒さに弱く、適温である
25度前後を維持する必要があるのでゲージ用
の暖房器具を取り付ける必要があります。
- 温度計
ゲージ内の温度管理は必須なので、真夏や真冬
などは温度計でこまめに確認します。
夏眠・冬眠対策
ハリネズミは暑すぎると熱中症や脱水症状を
おこす事があり、気温が30度を超えると夏眠
し、冬は20度を下回ると冬眠してしまいます。
どちらにしても体の負担が大きく、最悪の場合
死に至る恐れがあるため、常に適温である25度
前後を維持してあげなければなりません。
夏の場合は
ゲージを窓のそばや直射日光の当たる場所か
ら移動させ、水や食べ残した餌、排泄物など
は不衛生なのでこまめに取り替えて下さい。
保冷材をゲージに入れ扇風機を当てて風を送る
か、エアコンで温度調節をします。
冬の場合は
ペットヒーターやエアコンを使い、寝床の中
には暖かいフリースの生地などを敷いてあげます。
ただし、暖め過ぎや低温火傷などに注意しましょう。
ハリネズミの餌
餌は基本的に主食としてハリネズミ専用フード
を与え、おやつなどの副食として虫餌を与える
といいでしょう。
1日に主食を大匙2~3杯朝と夜に与え、虫餌を
おやつや間食として2~3匹を目安に個体の健康
状態に合わせて調節します。
餌の種類についてこちらに詳しく記載しました
ので、参考にして下さい。
かわいいハリネズミの食事 飼育 餌
日々の管理
排泄物を放置すると皮膚疾患などの病気になる
事があるので、ゲージ内は清潔に保ちます。
また、ハリネズミは回し車で回りながら排泄す
るので、回し車の清掃も忘れてはいけません。
しかし視覚が弱い代わりに嗅覚が優れているの
で、1度に全てを清掃してしまうと環境が変わっ
たと思いストレスを感じてしまうので、
ハリネズミの匂いの付いた床材の1部を残すなど
して対処します。
寿命
ハリネズミは小型動物としては寿命が長く、
5年~10年と言われています。
しかし
ストレスに弱く、飼育環境や飼い主との信頼
関係によっては寿命が大きく変わるようです。
ハリネズミ飼育の注意点
注意する病気・ケガ
ふらつき症候群(WHS)
治療法がなく致死率が非常に高い怖い病気です。
詳しい原因は未だ判明していませんが、栄養不
足やストレス、遺伝などの可能性があるようです。
多くの場合後ろ足から発症し、
- 歩き方に違和感がある。
- 痙攣をおこす。
- 食事を思うようにとれない。
などの症状がでます。
今のところの予防法として食事面、衛生面の質
をあげ、運動不足解消など極力ストレスの少な
い飼育環境を目指しましょう。
ダニ症
ハリネズミに非常に多いダニによる皮膚疾患で、
寄生されている個体や床材から感染します。
針の付け根や目元周辺に痒みを伴う瘡蓋ができ、
脱毛、針が抜け落ちる症状が出ます。
寄生を疑う個体との接触を避け、発症したら
動物病院で治療しましょう。
まとめ
- 優良店で健康状態をチェックして購入する。
- 夏眠・冬眠共に体の負担が大きいので、
適温である25度前後を維持する。 - ハリネズミ専用フードを主食とし、虫餌は
副食として与える。 - 皮膚疾患予防のため、排泄物はこまめに掃除する。