インド・熱帯アジア原産のバジルはシソ科
の植物で、独特の風味から多種多様な料理
に使用されます。
また栄養価も高く、ビタミンE、ミネラルが
豊富な他、さらにアンチエイジング効果があ
るβカロテンを大量に含んでいるんです。
さらにバジルの香り成分にはリラックス効果
や鎮静作用があり、アロマテラピーでも使用
されています。
初心者の方でも簡単に育てられ家庭菜園で人
気のハーブの一つといえるでしょう。
今回そんなバジルの
- 植え付け
- 水やり、肥料
- 剪定
- 収穫
- 増やし方
- 注意する病気や害虫
などをご紹介します。
植え付け
種植え
[用意する物]
- バジルの種
- 育苗ポット又は育苗箱
- 野菜用培養土又はハーブ用培養土
種の発芽適温は20度以上なので、十分に気温が
温かくなる4月下旬~6月頃が種まき適期です。
育苗ポット・育苗箱に野菜用培養土又はハーブ
用培養土を入れますが、バジルは他のハーブと
違い肥料を好みますので、より栄養が多く作ら
れている野菜用培養土がおススメです。
土に穴をあけ1粒ずつ種をまいたら薄く覆土し、
水やりをします。さらに受け皿にも水を溜めて、
土が常に給水している状態にします。
日当たりと水はけの良い場所で管理すると
種まき後2~3日で発芽するので、葉が混み
合っている所を間引きし、本葉が10枚程育っ
たら定植します。
苗植え
♦ 鉢植え
[用意する物]
・苗
・大きめの鉢(6号以上)
・野菜用培養土又はハーブ用培養土
通常バジルは大きく成長するので大きめの鉢
に植え付けますが、あまり大きく育てたくな
い場合は6号の鉢を使用します。
苗植えの適期である4月~6月上旬に培養土を
鉢に入れ植え付け、水やりをします。
♦ 地植え
[用意する物]
・苗
・苦土石灰
・腐葉土
・化成肥料
苗植えの適期である4月~6月上旬、植え付け
の2週間程前に土作りを始めます。
日当たり、風通しの良い場所の土をよく耕し
苦土石灰を混ぜ1週間寝かせ、腐葉土、化成
肥料を混ぜさらに1週間寝かせます。
完成した用土に苗を植え付け水やりをします。
水やり・肥料
水やり
通常ハーブは乾燥を好みますが、バジルは乾燥
に弱いため水切れをしないように育てます。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷり
と水やりをし、地植えの場合夏場は雨が降ら
なければ毎日水やりをします。
肥料
バジルは生育が旺盛なので肥料を切らさない
ようにします。月に1度緩効性化成肥料を株
元に撒くか週に1回液体肥料を与えましょう。
下の方の葉が落ちたり、黄色くなったりする
のは肥料が足りない目印なので、注意して観
察します。
剪定
バジルの成長を促し収穫量を増やすため、
3~4回程摘心します。
高さが15㎝~20㎝、葉が10枚程に育ったら
下の方に葉を4枚程残し、その2~3節上を切
り落とします。
また、花が付くと養分が奪われ、葉が固くなっ
てしまうので、花芽が出来たら摘み取ります。
こうして剪定を繰り返すことで、どんどん新し
い脇芽が出てフレッシュな若葉を沢山収穫でき
るようになります。
家庭菜園 バジルを育てる。摘芯して収穫倍増!
収穫
バジルの収穫期は7月~10月で、剪定をすま
せた草丈が20㎝以上に成長したら、外側の葉
から収穫していきます。
収穫したバジルは冷蔵保存か、茎ごと収穫した
場合は水に挿し常温保存します。
新鮮さを保つために水は毎日取り換えましょう。
増やし方
バジルは種まきと挿し木で増やす事が出来ます。
花茎を摘まず開花させると種が出来るので、発
芽適温の20度以上になる4月下旬~6月頃に種ま
きをします。
挿し木は4月~10月の間であればいつでも可能で、
剪定の際切り取った茎を使用する事も出来ます。
- 切り口が斜めになるよう15㎝程の長さに
切り、先端に残る葉を2~3枚残したら後
は全て切り落とし、挿し穂を作ります。 - 培養土を入れたポットに穴をあけ挿し穂
を挿し、土をかけて安定させたら水やり
をします。 - 土が乾かないように注意しながら半日陰
で管理しましょう。
注意する病気や害虫
病気
・軟腐病
6月~10月に発生しやすく、剪定や収穫の傷口
から細菌が入り感染します。
株や地際が軟化・腐敗し悪臭をはなつ症状が出
て、感染した株は治療法がなく破棄するしかあ
りません。
剪定・収穫の際使用する道具は毎回殺菌・消毒
をして予防しましょう。
・灰色カビ病
低温多湿の環境で発生しやすく、茎や葉が溶け
たように腐敗し症状が進むと植物全体が灰色の
カビに覆われてしまいます。
治療法はなく、感染した部分は回復しないので
すぐに切り取り処分し被害が拡大するのを抑え
ます。
また、湿気を好むので葉が混み合ってきたら間
引きするなどして風通しをよくしておきましょう。
害虫
・アブラムシ
アブラムシは植物の葉や茎から養分を吸い取
り弱らせてしまいます。繁殖力が非常に強く
いつの間にか大量発生する事もありますし、
他の細菌や病気の媒介をする事もあるので、
見つけ次第すぐに駆除します。
ガムテープなどでくっつけるか、薬剤を散布し
退治しましょう。
・ヨトウムシ
ヨトウガの幼虫で、夜に植物を食害し、昼間は
土の中に身を隠しているのが特徴です。
ヨトウガは1匹あたり1000~3000もの卵を産
むため大量発生する恐れがあり、集団で行動す
るので葉が全て食べられてしまう事もあります。
注意深く葉を観察し、産卵されているのを見つ
けたら葉ごと処分します。またヨトウムシに効
果のある薬剤もあるので、そちらを散布し駆除
します。
まとめ
✽ 4月下旬~6月頃に植えつける。
✽ 乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷ
りと水やりをする。
✽ 生育旺盛なので肥料を切らさないようにする。
✽ 収穫量を増やすため、摘心を繰り返し花芽も摘む。
✽ 7月~10月の収穫期に、草丈が20㎝以上成長
したら収穫する。
✽ 種まきと挿し木で増やす事が出来、剪定の際切
り取った茎も使用出来る。