ブルーベリーは
北アメリカ原産の落葉性小果樹の総称で、
様々なお菓子やスイーツ、サプリメント
などに加工される人気の果物です。
人気の理由は甘酸っぱい果実の美味しさだ
けではなく、ブルーベリーの健康機能性に
あるといえます。
眼精疲労の回復、抗脂肪肝作用や血圧上昇
抑制作用、さらに食物繊維やポリフェノール
が含まれている事からダイエット効果も期待
出来るようです。
果樹の栽培は一見難しそうですが、ブルー
ベリーは樹がそれほど大きくならず、鉢植え
でも育てられるため、果樹の中では簡単に栽
培できる方だといえます。
今回そんなブルーベリーの
- 植え付け
- 水やり、肥料
- 植え替え
- 剪定
- 収穫
- 増やし方
- 注意する病気や害虫
などをご紹介します。
植え付け
地植え
[用意する物]
- 苗木
- ピートモス
- 鹿沼土
- 腐葉土
ブルーベリーは種からも育てる事が出来ます
が、初心者の方は苗から育てましょう。植え
付けの適期は10月~3月ですが、真冬である
1月2月は避けます。
市販の苗は、根がびっしりと張って根元から
新しい丈夫な枝が出ている物を選びます。
ここでポイントなのが、ブルーベリーは酸性
の土壌でなければ栄養素を吸収出来ず育ちま
せんので、普通の土に植えてしまうと枯れて
しまいます。
- 土を十分に掘り返し、無調整のピート
モス、鹿沼土、腐葉土などを混ぜ酸性の
土作りをします。 - 直径70~80㎝、深さ40~50㎝程の穴を
掘り、根が広がるように苗木を植えます。 - 植えた苗木の周りに、水鉢となる土手を
作りたっぷりと水やりをします。 - 乾燥防止のため、株のまわりにワラやも
み殻などをかぶせておくと良いです。
鉢植え
[用意する物]
- 苗木
- ブルーベリー専用土
- 鉢底石又は軽石
- 大きめの鉢
鉢植えの場合、市販のブルーベリー専用土を
使用すると土作りの手間が省け便利です。
- 大きめの鉢に鉢底石又は軽石を敷き、土を
1/3程入れます。 - 苗を鉢の中心に根が広がるように置き、土
をかぶせたっぷりと水やりをします。
乾燥防止のため、株のまわりにワラやもみ殻など
をかぶせておき、日当たりの良い場所で管理しましょう。
水やり・肥料
水やり
ブルーベリーは根が浅く、水切れ・乾燥をおこ
しやすいので、夏は朝夕の2回、冬は最低でも
10日に1回は水やりをします。
また、土の乾きすぎは根を枯らしてしまうので、
土の表面が乾いてきたら鉢底から水が染み出す
程たっぷりと水やりをしてあげましょう。
肥料
緩効性の化成肥料又は、ブルーベリー専用に
調整されたブルーベリー専用肥料「ブルーベ
スト」を与えます。
その他、ブルーベリーの成長に必要なカリ・リ
ン酸・窒素を多く含んだ緩効性の肥料を、それ
ぞれ年に3回追肥します。
・カリ:2月頃に1回
・リン酸:3~4月頃に1回
・窒素:8月下旬頃に1回
植え替え
♥ 果樹の鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐため
毎年植え替えを行う事が望ましいです。
休眠期である10月~11月が植え替えに適した
時期となります。
株を鉢から取り出し、土を落としながら根元を
ほぐし、新しい土に植え付け同様植え替えます。
剪定
ブルーベリーは新芽にしか花が付きませんので、
元気な枝を残し剪定します。
傷ついた枝や内側に向かって生えている枝を放
置すると、花付きが悪くなるので、夏の生育期
や、冬の休眠期に剪定しましょう。
また、葉が混み合うと病害虫が発生しやすくなっ
たり、光合成の妨げになるので定期的に間引く
と良いです。
収穫
ブルーベリーの収穫時期は品種により個体差が
あり、6月上旬~9月上旬が収穫適期となります。
また、ブルーベリーは樹上のみで完熟しますの
で早取りはせず、果軸の付け根まで完全にブルー
に着色してから4~7日たった実を収穫しましょう。
ここで注意したいのが、ブルーベリーは自家不
和合成という性質をもち、違う品種が受粉する
事で初めて果実が実ります。
鈴鐘型の綺麗な花だけでも観賞用に楽しめます
が、果実を収穫したい場合は別々の品種を栽培
しなければなりません。
ブルーベリーこだわりの収穫
増やし方
ブルーベリーは挿し木をして増やす事が出来ます。
- 変色している枝や、先端に花芽が多く付いて
いる枝を避け、年内に生育した若い枝を選びます。 - 切り口を斜めにし、10㎝程度の長さに切ります。
- 乾燥しないように切り口を水につけておきます。
- 葉を2~3枚程度残るように摘み取り、葉が大き
い場合は葉を半分にカットし、押し穂を作ります。 - 土に緩効性の化成肥料を少量混ぜ、4~5㎝間隔
で挿し穂を植えていきます。 - 土を絶対に乾燥させないように水やりをし、直射
日光の当たらない明るい場所で管理すると、うま
くいけば1ヶ月程で発根し実がなる樹を増やせますよ。
注意する病気や害虫
病気
・灰色カビ病
開花期や、湿度が高い時期などに感染しやすく、
花が枯れたり、実が委縮してしまう症状がでます。
風通しの良い場所で管理し、葉や枝が混み合わ
ないように剪定して予防します。
・斑点病
梅雨時期などの多湿条件で、糸状菌により葉と果
実に感染します。こちらも風通しの良い場所で管
理し、葉や枝が混み合わないよう剪定をして予防
します。
・害虫
【コガネムシの幼虫・成虫】
ブルーベリーを屋外で栽培する際、最も注意を
しなければならない害虫です。
幼虫は根を、成虫は葉や実を食害し、一旦寄り
付くとどんどん仲間を増やし、大量に発生する
と人力では手に負えなくなるという最悪の被害
をもたらします。見つけ次第即座に捕獲し、駆
除しましょう。
【アブラムシ】
植物の新芽を好んで寄生し、繁殖力の強さから
突然大量発生する事があります。
葉や根の養分を吸い取ってしまうので、生育不良
になったり厄介なウイルス病の媒介をする事もあ
ります。
ガムテープなどでくっつけて駆除するか、薬剤を
散布して駆除します。
まとめ
✽ 10月~3月に酸性の土、又はブルーベリー
専用土を使用し植え付ける。
✽ 土の乾きすぎは根を枯らしてしまうので、
鉢底から水が染み出す程たっぷりと水やりをする。
✽ 根詰まりを防ぐため、毎年植え替えをする。
✽ 葉が混み合うと病害虫が発生しやすくなる
ので、適度に剪定する。
✽ 果実を付けたい場合、別々の品種を栽培し
収穫の際は早取りは厳禁。
✽ 若い枝を挿し穂にし、挿し木する事で増や
す事が出来る。