南アフリカ原産のゼラニウムは
約280種類以上の品種が存在し、花壇や街路
樹など様々な場所で見られ日本ではとてもポ
ピュラーな花の一つです。
温度が適していれば1年中花を咲かせ、香り
が強くハーブとしても大人気の植物でその香
りは虫よけ効果もあり、初心者でも育てやす
いのも魅力の一つです。
今回そんなゼラニウムの
- 植え付け
- 水やり、肥料
- 剪定
- 増やし方
- 注意する病気や害虫
などをご紹介します。
植え付け
種まき
[用意する物]
- セルトレイ又はポット
- 水はけの良い土(草花用培養土又はハーブ用土)
ゼラニウムの発芽温度は約20~25度なので5月
か9月が種まきの適期です。
- 湿度に弱いので水はけの良い土を用意し
指で穴をあけ、種が重ならないように1粒
ずつまきます。 - 発芽し、本葉が2~3枚育ってきたら鉢など
に植え替えましょう。
植え替え種植え後は土が乾かないように日陰で、
植え替え後は日当たりの良い場所でかんりして下さい。
苗植え
[用意する物]
- 苗
- 大きく深い鉢
- 水はけの良い土(草花用培養土又はハーブ用土)
- 鉢底石又は軽石
ゼラニウムの苗は1年中市場に出回っています
が、苗植えに適した時期は3~5月、9月など
真夏や冬を避けた時期が適しています。
購入の際のポイント
葉が濃い緑で変色しておらず、元気でよくま
とまったものを選ぶといいです。
ゼラニウムの根は著しく成長が早いので、大
きく深い鉢に植えつけましょう。鉢に鉢底石
や軽石を敷き、水はけの良い土を入れ浅く苗
を植え付けます。
庭植え
ポットから苗を取り出して、根元を軽く手で
1/3ほど崩し日当たり・風通しの良い場所に
植えつけます。
植えつける土は事前に腐葉土などを混ぜて、
寝かせておいて下さいね。
水やり・肥料
水やり
ゼラニウムは、やや乾燥した土を好む植物なの
で、土の表面が乾燥してから水やりをします。
多湿を嫌うので、乾燥を気にしてたくさん水
やりをすると、根腐れの原因にもなるので注
意します。
♦ 鉢植えの場合は、鉢底から水が染み出すぐら
いたっぷりあげましょう。
ただし、冬は寒さのためあまり成長しないの
で乾かし気味に管理します。
♦ 庭植えの場合、水やりはほとんど必要なく、
夏場の乾燥した時にたっぷり水やりをする
程度でいいでしょう。
肥料
ゼラニウムは次々に花を咲かせていくので、
肥料切れは花切れとなってしまいます。
液体肥料を10日に1回の頻度で与え、生育が
旺盛になる早春、初夏、秋に追肥しましょう。
ですが、開花期の肥料のあげすぎや真夏の株
が弱っている時期の追肥は、花付きが悪くなっ
たり、花茎が柔らかくなって倒れやすくなる
事もあるので、緩効性肥料を置き肥するなど
して対処しましょう。
剪定
ゼラニウムは生育が旺盛なので、剪定をしない
と花付きが悪くなったり、姿が乱れたりします。
美く樹形を整えるために花がらつみ・切り戻し
を行いましょう。
特に4~7月、9~11月は気温が安定していて株
へのダメージが少ないので、剪定に適した時期
と言えます。
花がらつみ
沢山の小花からなるゼラニウムは花房の中心
から小花が咲き終わります。咲き終わった花
茎から次の花は咲かず、花数が減ってしまう
ので咲き終わった花は随時摘み取りましょう。
そして、
花房の花が全て咲き終わったら茎を茎元から
切り取ります。
切り戻し
切り戻しは花の位置を低くし、コンパクトに
したい時に行う作業なので、あまり大きくな
らない品種の場合は切り戻しをする必要はあ
りません。
ですが、草姿が崩れたり、バランスが悪くなっ
たりした時は花を咲かせてほしい高さの少し下
で、わき芽のある節の少し上をカットします。
増やし方
ゼラニウムは切り戻しで出た枝を挿し木する
ことによって、増やすことが出来ます。
- この時長い枝は5㎝~10㎝に切り下葉を
取り除き、大きい葉は半分程に切って2~
3日乾燥させ挿し穂を作ります。 - 土を湿らせ割りばしなどで穴をあけ、乾
燥させた挿し穂を入れて土にしっかりお
さえます。 - 日陰でやや乾かし気味に管理し、発根し
たら日当たりの良い場所に移動させましょう。
挿し木は1年中行えますが、発根に適した春と
秋におこなうのが良いでしょう。
ゼラニウムの簡単な増やし方
注意する病気や害虫
病気
- 褐斑病
高温多湿の環境で発生しやすい褐斑病は、春~秋
にかけて比較的多く発生する草・花・野菜・果樹
にかかりやすい病気です。
葉に小さな斑点が出来る事から始まり、次第に斑
点が大きくなり枯れてしまいます。
日当たり、風通しの良い場所で管理し予防するよ
うにし、病気が発生してしまったら褐斑病に有効
的な薬剤を使用しましょう。
- 灰カビ病
褐斑病が高温多湿で発生しやすいのに対し、灰
カビ病は低温多湿の環境で発生しやすい病気です。
梅雨の時期など雨が続いた時には要注意で、葉や
茎、花や蕾が溶けたように腐り、カビがはえる症
状がでます。
また、感染を発見した時は、すぐにその部分を切
り取り被害が拡大するのをおさえましょう。
- 害虫
【ヨトウムシ】
ゼラニウムは香りが強く、虫よけ効果があると
されていますがヨトウガが構わず卵を産み付け
ヨウトムシが発生する事があります。
また、産卵場所は元気な葉の裏なので気づきに
くく、幼虫は昼間土の中に隠れ、夜になると一
斉に出てきて活動するので見つけるのが困難な
厄介な害虫の一つです。
ヨウトムシは大量に発生し、集団で植物の葉や
茎を食べるので放っておくとゼラニウムは枯れ
てしまいます。
こまめに葉裏をチェックし、産卵されていたら
孵化しないうちに葉ごと処分してしまいましょう。
また、防虫剤をまいて予防するのも効果的です。
【ハマキムシ】
春~秋にかけてハマキムシが発生しやすく、
ゼラニウムの美観を損ねたり、生育を妨げる被
害が生じます。
ハマキムシは1度に200粒程の卵を産むので、
大量に発生してしまうとすべての葉っぱが糸で
つづられてしまい、内部から植物を侵食し枯ら
してしまいます。
また、葉を糸で丸めて中に潜み、薬剤がかかり
ずらいので、見つけたら葉っぱごとすぐに摘み
取りましょう。
まとめ
✽ 種植え、苗植えの適期は春か秋で、風通しの
良い場所で管理する。
✽ 乾燥した土を好むので、土が乾燥してから
水やりをする。
✽ 肥料切れは禁物なので、10日に1度の頻度で
液体肥料を与える。
✽ 花の生育を促すため、咲き終わったら花茎から
摘み取る。
✽ 日当たり、風通しの良い場所で管理し、病気を
予防する。
✽ 薬剤散布で害虫を予防し、卵や幼虫を見つけた
ら葉ごと摘み取る。