東南アジアを原産とするウリ科のヘチマは
丈夫なツル性の植物で、家庭菜園で初心者
でも簡単に育てられます。
ヘチマ水やヘチマたわしが作れる他、沖縄
では20㎝くらいの若い果実を夏野菜として
食べます。
また、ヘチマは暑さと日差しに強く、日除け
目的とした緑のカーテンや、柵作りやフェン
スに絡ませるアレンジができ、ぶらんとぶら
下がるユニークな形の実は観賞用としても楽
しめます。
今回、そんなヘチマの
- 植え付け
- 水やり、肥料
- 収穫
- 増やし方
- 注意する病気や害虫
- 仕立て方
などをご紹介します。
植え付け
地植え
種の場合は4月中旬の温かい場所、苗の場合は
5月中旬の本葉が4~6枚展開した頃が適期です。
ただし発芽適温が25~30度となっていますの
で、まだ肌寒い時は根元をマルチングするか、
ビニールキャップをかぶせて保温しましょう。
また、ウリ科の植物は連作障害をおこしやす
いので、過去3年きゅうりやかぼちゃなどの
ウリ科の植物を育てた場所への植え付けは避
けます。
連作障害の詳細はこちらの記事をご覧下さい。
根を深く広く張るので、深さ30㎝程土を耕し
苦土石灰を1㎡あたり150g混ぜこみ、2週間
ほど寝かせたら、粒状肥料1㎡あたり2㎏を混
ぜ、苗を植えます。株間は70~90㎝が目安です。
プランター植え
ヘチマは生育が旺盛なので、出来れば庭植え
が好ましいですが、プランターで育てる場合
は、深さがたっぷりある大型のプランターを
選びます。
市販の野菜用培養土などの水はけの良い土に、
10号鉢に1株、60㎝プランターに1~2株を目
安に植え付けます。
株同士の間隔が30㎝以上空くように苗を植え、
株元が埋まらないようにします。
たっぷりと水やりをし、日当たり、風通しの
良い場所で管理しましょう。
水やり・肥料
水やり
ヘチマはたっぷりの水が必要な植物なので、
土が乾いてきたらしっかりと水やりをします。
ただし、湿度を嫌い根腐れをおこす事もある
ので注意が必要です。
肥料
ヘチマは非常に生育が旺盛なので、随時肥料
をやらないとつるが思ったように伸びてくれ
ないなどの生育不良をおこします。
植え付けから10日程たったら肥料をあげ、お
盆が過ぎて葉や茎の成長が終わるまで一月に
2回程度追肥します。
収穫
食用
7月~9月が旬の食用のヘチマは、繊維が固く
なる前の若い果実を収穫する必要があるので、
着花から10~14日を目安に収穫します。
ヘチマたわし
たわしにするヘチマの収穫時期は、9月上旬
頃のつる茶色く変色し、果実が黄ばみ完全に
熟した頃が適期です。
ヘチマ水
地面から50~60㎝のところで切り取った茎
を瓶の中に差し込んでヘチマ水を採ります。
増やし方
ヘチマは1年草なので、種を採取し、翌年再び
種まきをし栽培します。
実が熟し茶色く変化したものから種をとり、
乾燥させ通気性の良い袋に入れ保存しましょう。
注意する病気や害虫
ヘチマは病気に強く、害虫もほとんど付かない
とされていますが、つるや葉っぱが混み合い風
通しが悪くなると稀に、うどんこ病やべっと病
に感染する事があります。
事前に適度に剪定したり、誘引したりして予防
しましょう。
また、一度病気にかかった所は治療出来ないの
で、怪しい葉などを見つけたら早めに切り落と
して殺菌剤を散布すると安心です。
仕立て方
緑のカーテン
[用意する物]
- 丈夫な支柱
- つるもの用ネット
- 麻紐
ヘチマは緑のカーテンを作る代表的な植物の
中で、最も葉が大きく沢山茂り影が濃い植物
なので、真夏の日差し対策にとても活躍して
くれます。
- 本葉が6~7枚程になったら株のそばに丈
な支柱を立て、間につるもの用ネットを
はり、つるを誘引していきます。
ヘチマはつるをネットに引っ掛けるだけでどん
どん絡まって成長していきますが、摘芯し子づ
るの発生を促す事で、さらに綺麗にネットに絡
ませる事が出来ます。
- つるは3m以上伸び、大きく沢山ぶら下が
ると重くなるので実のへたの部分をネット
に紐で固定するといいでしょう。
棚作り
[用意する物]
- 丈夫な支柱
- 竹など
- 麻紐
- 支柱や竹を約30㎝間隔の格子状に組み、
高さ2m程の棚を立てます。
つるもの用ネットを使用する時は、所々支柱で
補強しておきましょう。
- 棚作りの場合は、緑のカーテンの時とは
逆に子づるを全てかきとり、親づるを早
く棚上に届かせます。 - 親づるが棚上に伸びたら摘芯し、子づる
を伸ばし、棚上にまんべんなく広がるよ
う誘引します。 - また、カーテン同様実がなると重くなる
ので実のへたの部分を紐で固定します。
グリーンカーテンのヘチマ
まとめ
✽ 25度~30度の温かい時期に植え付け、日当
たり、風通しの良い場所で管理する。
✽ 土が乾いてきたらたっぷりの水やりをし、月
に2回程度の追肥が必要。
✽ 食用は、着花から10日~14日の若い果実を
収穫し、たわしは実が黄ばみ、完全に熟した頃が適期。
✽ 実が熟し、茶色く変化したら種をとり乾燥さ
せ来年用に保存する。
✽ 風通しが悪くなると病気に感染する恐れがあ
るため、適度に剪定、誘引し予防する。