世界中の様々な水田や池、用水路など
水流の緩やかな場所に生息するザリガニは、
丈夫で育てやすい事から
観賞用のペットとしても人気があり、
またアメリカザリガニから生まれた白・青・
オレンジなどの色鮮やかな種類は、存在感
があり見応えが抜群です。
しかし身近な生き物であるザリガニですが、
飼育法を知らない方も意外に多く飼ってすぐ
に死んでしまう事も珍しくありません。
そこで今回、ザリガニ飼育の
- 用意する物
- 日々の管理
- ザリガニの餌
- 寿命
- 注意する病気
- 注意点
などをご紹介します。
用意する物
- ✤ 水槽(30~60㎝)
ザリガニは多頭飼いすると高確率で共食い
をしてしまいます。
特に同性同士の場合必ず共食いがおきてしまう
ので、繁殖させる時以外では単独飼育を基本と
します。30㎝水槽に1匹、60㎝水槽に1ペアを
目安としましょう。
また
脱走の名人と言うほど、水槽内のレイアウトや
エアホースなどを伝って上手に脱走を繰り返す
ので、水槽は蓋が付いているタイプをおすすめ
します。
- ✤ 砂
ザリガニは脱皮を繰り返して大きくなりますが、
脱皮をした際触覚の根元に砂を入れてバランス
感覚を調整しています。金魚用の砂など出来る
だけ細かい砂を入れてあげましょう。
- ✤ 隠れ家
ザリガニは物陰に隠れたり穴を掘って休息する
ので、隠れ家を設置する必要があります。
ペットショップで販売されている素焼きの壺や
100円均一で販売されている塩ビ管なども使用可能です。
- ✤ ろ過装置
ザリガニは餌を丸のみするのではなく、かじり
ながら食べるので食べかすから水が直ぐに汚れ
てしまいます。
ろ過装置を付ける事によって水替えの頻度が少
なくなり負担が減ります。
check point!
また、
上面式ろ過装置・外掛けろ過装置を設置すると、
エアーレーション効果により水中溶解酸素量が
増えるので、エアーポンプを別途設置する必要
がなくなり便利です。
水槽の立ち上げ、ザリガニの導入
水槽の立ち上げ
買ったばかりの水槽は、水を浄化し水質を良好
に保つ役割をするバクテリアがまだいません。
その状態で生き物を投入すると
非常に不安定な環境なので、負担が大きくスト
レスや病気にかかる恐れがあります。
ザリガニを水槽に導入する前に水槽の立ち上げ
と呼ばれる準備をしておきましょう。
- 水槽、砂、装飾品を水だけで良く洗います。
- 水槽に砂や装飾品、周辺機器を取り付け
たらカルキを抜いた水を入れます。 - ろ過装置を作動させ2~3週間程放置します。
ザリガニの導入
水槽の立ち上げが完了したらいよいよザリガニ
を導入しますが、水質・水温の変化は万病の元
なので水合わせをします。
- 購入したザリガニが入っている袋を、
未開封のまま水槽に30分程浮かべ水温を
合わせます。 - 水温を合わせが完了したら、袋の中に
水槽の水を約3時間かけて少しずつ入れ
水質を合わせます。 - 水温・水質合わせが完了したら、ザリガ
ニのみを水槽に入れます。
袋の中の水は、病原菌がいる可能性もあるので
水槽に入れないようにします。
日々の管理
ザリガニ飼育の水槽は水が汚れやすいので、
ろ過装置が付いている場合は1週間に1回、付い
ていない水槽は2~3日に1度水替えをします。
また餌の食べ残しや食べかすが出やすいので、
こまめに取り除きましょう。
- 餌を与え過ぎると水質が悪化しやすいので、
2~3分で食べきる量を1日1~2回に分けて与えます。
ザリガニは成長のため脱皮を繰り返します
食欲がない、体の色艶に変化が出た、甲羅の
縁の部分が浮かび上がってきたなどは脱皮前
の症状ですので、ストレスを与えないように
そっとしておきます。
脱皮後3~4日は非常にデリケートで、この時期
に急死する割合は7割程にもなるそうです。
決して触ったり、刺激を与えたりしないように
しましょう。
また
脱皮後の殻はザリガニが自分で食べて栄養に
するので、水槽に放置しておきます。
青い!!ザリガニ 脱皮した殻を食す!
ザリガニの餌
人工飼料
ザリガニ専用に栄養が調整された餌で、保存が
利く・水が汚れづらいなど手軽で便利な餌です。
水槽の水量によって水に浮かぶタイプ、沈む
タイプがあるので確認してから購入しましょう。
動物性の餌
動物性の餌として煮干しやするめ、刺身などを
与えても良いですが、ザリガニは餌をかじるよ
うにして食べる特徴があるので水質が非常に悪
化しやすく、匂いも出るのであまりおすすめし
ません。
植物性の餌
ザリガニは水草が大好きなので、ホームセンター
や熱帯魚ショップで販売されている水草を入れて
あげます。
その他ほうれん草や枯葉なども食べますが、
食べ散らかしてしまうので残骸は速やかに除去
しましょう。
寿命
生命力が強く、丈夫で育てやすいとされるザリ
ガニですが、生き物なので当然寿命があります。
しかし
自然界に自生するザリガニと、飼育下にある
ザリガニでは寿命の長さに違いがあり、また
飼育方法でも差が出てきます。
せっかく飼うなら出来るだけ長生きしてほし
いですよね。
ザリガニの寿命と長生きさせるコツについて
こちらに詳しく記載しましたので、ご覧ください。
病気
バーンスポット病
ザリガニに1番多い病気で個体が弱っている時、
又は水質が悪化している時に体のキズや脱皮の
際の欠損個所から細菌が入り込み発病します。
体表に焦げ茶色の色素沈着が見られ、次第に
その部分は穴が開いたり欠落します。
さらに症状が進むと殻が溶け、脱皮が出来ない
状態になるので死に至ります。
ザリガニは薬剤に弱く、唯一の治療法が脱皮す
る事なので病症が進み脱皮障害を起こすと回復
は難しいです。
予防法として水質は常に良好に保ち、水槽の水
位が低い場合に発生しやすいとされるので、水
深を深くしましょう。
phショック(水温ショック)
ザリガニは水温・水質の急激な変化に弱く、水
替えの際1度に水槽内全ての水を変えるとph
ショックをおこし死んでしまう事があります。
ジタバタ苦しがったら元居た水に戻し、1度に
変える水替えの量は1/3~1/2程度に留めましょう。
コケ
ザリガニの体表にコケが生えてしまう事があります。
コケの発生が少量の時は歯ブラシなどで優しく
擦り取って対処出来ますが、大量に付着すると
脱皮に失敗してしまう事があるので注意します。
水質を良好に保ち、水深を深くして予防します。
注意点
・ザリガニを飼育する際、水槽内の水を個体が隠れる程度に浅くして飼育する方法もありますが、
ザリガニは他の熱帯魚などと同じくエラ呼吸なので水深は深くした方が良いです。
・ザリガニは脱走の名人なので、蓋つきの水槽で飼育していても蓋の隙間から逃げ出してしまう事があります。
脱走予防のため隙間は全て目張りしましょう。
まとめ
- 共食いをしてしまうので、単独飼育が基本。
- 熱帯魚飼育と同じく水深を深くし、ろ過装置を設置する。
- 脱皮前後はストレスを与えないように静かに見守る。
- 病気予防として水深を深くして水質を良好に保つ。
- 水替えを1度に全てしてしまうとショック死するので、
1/3~1/2ずつ行う。
ザリガニの関連記事