あまり手のかからない小動物として人気の高い
ハムスターですが気温の変化に弱く、特に寒さ
は非常に苦手とします。
動物は厳しい冬を越すために冬眠しますが
ハムスターは冬眠してしまうと死亡率が高く、
飼育者の対処次第で生死が分かれるとてもデ
リケートな生き物なのです。
その為
ハムスターを飼育する際には快適に生活出来る
環境を作る必要があり、ハムスターの習性を知
る事も飼い主の大切な役割です。
そこで今回ハムスターの
- ハムスターの冬眠
- 越冬対策
- 冬眠と永眠の見分け方
- 冬眠からの起こし方
- 注意点
などをご紹介します。
ハムスターの冬眠
野生下のハムスターは主に昼と夜の気温差の
激しい乾燥地帯に生息し寒さを苦手としますが、
餌や異性を求めて何キロも走り回る程運動量が
多い為、自ら十分な熱を発生させ体温を維持す
る事が可能なので冬眠はしない動物であると言
われています。
しかし
飼育下ではそこまでの運動が出来るスペースが無
いので気温が10度以下、シベリアに生息する比較
的寒さに強いジャンガリアンハムスターでも5度以
下になると疑似冬眠してしまいます。
疑似冬眠とは
正確には低体温症の事で、体温・心拍数・呼吸数が
低下する非常に危険な仮死状態なのです。
疑似冬眠に入ると経過時間と共に生存率は低くなり、
2~3時間以内に適切な処置をしなければ助けるのが
難しくなる可能性があります。
越冬対策
ハムスターは寒さにも弱いですが気温の変化も
非常に苦手なので、飼育する環境は24時間体制
で適切な温度に管理する必要があります。
室温を飼育適温である20~25度に設定し、
特に育児中や闘病中などは絶対に20度を下回ら
ない様に注意しましょう。
温度変化の激しい玄関や窓際、廊下、ドアのそ
ばからゲージを離し、床材を多めに入れたゲージ
の下に保温アルミマットや毛布等を敷く事でも
寒さを軽減出来ます。
また
暖かい空気は上へ行くので、出来るだけ高い場所
にゲージを設置するのもポイントです。
ハムスターの冬の準備はじめました2013
冬眠と永眠の見分け方
疑似冬眠をしてしまうと体温調節が出来ず、
そのまま凍死してしまう事が少なくありません。
冬眠と永眠の見分け方は非常に困難だと言われ
ており、死んでしまったと思って埋葬してしま
い本当に死んでしまうという悲しい事故も多く
あります。
しかし
疑似冬眠は永眠とは違い生きているので、お腹
やヒゲを落ち着いて観察するとゆっくりとでは
ありますが呼吸が確認出来るはずです。
また死後硬直に似ているとも言われますが足を
引っ張ると動くか、皮膚の弾力や温もりはある
か等でも判断できます。
冬眠からの起こし方
疑似冬眠に入ったハムスターは早急に処置しな
ければ、死亡率がどんどん上がってしまいます。
室内を20度以上に暖め、ハムスターをタオルや
毛布で包みゆっくりと体温を上げます。
カイロやホットカーペットの上でマッサージし
てあげるのも効果的です。
疑似冬眠の場合は早急に適切な処置をすると
2~3時間で目覚めるので、砂糖やハチミツを少
量溶かした白湯を飲ませ、体力を回復させます。
ハムスターをゲージに戻す前にゲージ内の環境
をキチンと整え、安心して体力を回復出来る様
にしておきましょう。
注意点
温度管理にストーブやハロゲンヒーターを使用するのは危険です。
温度を一定に保ち続けるのが困難な場合があり、付けっぱなしにすると火災が起きる危険性もあります。
使用する際は在宅時の補助的な役割程度にします。
保温性がある巣材として綿製品が販売されていますが、非常に危険なので絶対に使用してはいけません。
誤飲してしまうと腸閉塞をおこし、最悪の場合死に至ります。
疑似冬眠から起こす際にドライヤー、ストーブ、こたつ等で急激に温めてはいけません。
ハムスターの心臓に非常に負担をかけ、逆に弱らせてしまいます。
疑似冬眠から目覚めて覚醒した時に、人間の手の上に居る事に気づくと今度は違うストレスに襲われてしまいます。
自分で動ける様になったらそっとゲージに戻してあげましょう。
1度疑似冬眠をしてしまうと、起きた後に体調が急変する事があります。
目覚めてある程度落ち着いたら病院を受診しましょう。
まとめ
- ✤ 冬眠はハムスターにとって仮死状態であり、非常に
危険。 - ✤ 飼育環境は24時間20~25度に設定する。
- ✤ 冬眠と永眠の見分けは非常に難しいが、呼吸や硬直
具合などをよく観察する。 - ✤ 冬眠に入ってしまったら、室内を20度以上に暖め
早急に処置する。 - ✤ 目覚めたら糖分の入った白湯を飲ませ、体力を回復
させる。
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