イタチ科に属する
肉食性哺乳動物であるフェレットは、好奇心
旺盛で活発的な子猫の様な行動と人間にも懐く
性格のため、古くからペットとして人気のある
動物です。
しかし
小動物は寿命が短いと言われ、成長が早く老い
も早いという特徴があります。
また診察可能な動物病院が増えているとはいえ、
犬や猫に比べると圧倒的に少ないので日々の
健康作りが大切になります。
そこで今回フェレットの
- 寿命、予兆
- ワクチンで予防出来る病気
- 注意する病気
- 長生きさせるコツ
- 注意点
などをご紹介します。
寿命、予兆
寿命
成長が早く老いも早い小動物の中でも、フェ
レットは特に寿命が短く平均寿命は6年~10年
と言われています。
老化スピードが他の動物よりも非常に早く、
それにより引き起こされる病気で亡くなる
事がほとんどの為、高齢期の生存期間が短
くなります。
予兆
幼体~成体のフェレットは食欲・好奇心旺盛
でとても活発的ですが、老体になると徐々に
活動時間が減り、寝ている時間が多くなります。
さらに
食事や水分をとるのも難しくなり、排泄も上
手に出来なくなります。
その他ふらつき、嘔吐、脱毛などが見られます。
ワクチンで予防出来る病気
フィラリア症
犬や猫の感染症として有名なフィラリア症で
すが、フェレットも感染します。
フィラリア原虫(犬糸状虫)に感染した動物の
血液を吸った蚊が媒体となり、その蚊がフェ
レットの血液を吸う事で感染します。
体の小さいフェレットは1匹の寄生だけで
重篤な状態になり、感染してしまうと治療
は困難な為死に至ります。
非常に恐ろしい病気ですが、ワクチンで感染
を防げるので必ず予防接種を受けましょう。
症状:咳、息切れ、食欲不振、体重減少、
呼吸困難、腹水
犬ジステンパーウイルス感染症
こちらも犬や猫の病気として知られています
が、実はフェレットは犬ジステンパーに感染
しやすいんです。
感染した動物からの飛沫感染や、菌の付いた飼
い主の衣服から接触感染するケースもあります。
この病気の治療法はなく、感染してしまうと
1ヶ月以内に100%死んでしまいます。
しかし
フェレット専用のワクチンが無い為犬用のワク
チンを接種し予防しますが、副作用などの恐れ
があるのでフェレットに詳しい獣医師のいる
病院での接種をおススメします。
症状:咳、鼻水、目ヤニ、食欲不振、発熱、
水状便、発疹、気管支炎、神経症状
注意する病気
インスリノーマ
膵臓に出来る悪性腫瘍の事で、中~高齢期の
フェレットに多く見られます。
膵臓に出来た腫瘍が原因でインスリンが過剰
分泌され、死に至るほどの低血糖をおこします。
遺伝や加齢による発病の他、でんぷん質(炭水
化物)の過剰摂取が原因で発病するとも言われ
ているので、普段の食生活には注意します。
手術により摘出する事は出来ますが、再発率
が非常に高く完治するのは困難です。
しかし
早期発見により治療経過は良好となり、生存
期間も長くなるので定期健診を受けるように
しましょう。
症状:視点が合わない、よだれ、ふらつき、
体重減少、嘔吐、失禁、痙攣、昏睡状態
リンパ腫
リンパ腫とは白血球の一つであるリンパ球が
癌化する血液の癌で、高齢期のフェレットに
多く見られます。
その原因はウイルス感染や遺伝的な関与が考え
られますが、はっきりした事は解明されていま
せん。
リンパ腫は完治出来ない病気なので抗がん剤
治療を一生続けていく事になりますが、外科
手術によりシコリを摘出し延命する場合もあ
ります。
症状:貧血、発熱、嘔吐、食欲不振、体重減
少、リンパ節腫大
副腎疾患
腎臓近くの副腎と言う器官が腫瘍化、又は肥大
化する病気で、中~高齢期のフェレットに多発
する疾患です。
発病原因ははっきり解明されておらず、健康状
態や年齢により内科治療や外科治療を行います。
しかし内科治療では完治は望めず、腫瘍が大き
くなると手術による完全摘出が難しい他、年齢
や健康状態により手術適応条件があるので、早
期発見・早期治療が重要になります。
症状:貧血、体重減少、発情期行為、体臭、
脱毛、外陰部の腫れ(メス)、排尿障害(オス)
インフルエンザ
人間のインフルエンザはフェレットに移る事
があります。
特に幼いフェレットは重篤な状態になってしま
う可能性もあるので、インフルエンザを発症し
たらフェレットには近寄らないようにしましょう。
症状:発熱、咳、くしゃみ、鼻水、食欲不振、
肺炎(二次感染)
長生きさせるコツ
フェレットは精神に重きを置く動物の中でも、トップクラスで繊細な心の持ち主です。
そのためストレスに弱く、運動不足や環境の変化により排泄障害を起こす事や、凶暴化してケガをする事があります。
また
ストレスは万病の元なので、出来るだけストレスフリーな生活をさせるようにします。
快走!散歩派フェレット
注意点
- ✔ 多頭飼いの場合、リンパ腫を発病したフェ
レットは他のフェレットから隔離します。
- ✔ 病院によってはあまりフェレットに詳しく
なく、犬猫用の治療をされてしまう恐れがある
ので、フェレットに詳しい獣医師がいる病院を
選びます。
まとめ
- ✤ 小動物の中でも寿命が短く、平均寿命は
6~10年。 - ✤ 老体は活動時間が減り、食欲不振、排泄
障害、ふらつき、嘔吐、脱毛が見られる。 - ✤ 致死率の高い感染症は、ワクチンで予防
出来る場合がある。 - ✤ フェレットの主な病気は、インスリノー
マ、リンパ腫、副腎疾患、インフルエンザ。 - ✤ 1年に1回、4歳以降は半年に1回の健康
診断を受ける。
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