「夏風邪は馬鹿がひく」という言葉がありますが、
風邪は冬にひくものだという
誤った認識から生まれた言葉です。
夏風邪の原因を知れば
天才でもひいてしまうことが解ります。
確かにお腹を出していて腹痛、
冷たいものを食べすぎて腹痛といったことが原因とも
言える場合もありますが、夏風邪の主な原因は
冬の風邪の代表格・インフルエンザと同じように
ウイルス性の病気なのです。
夏風邪の原因
夏風邪の原因として最も多いのはウイルスです。
ウイルスとして代表的なインフルエンザウイルスは
低温低湿度の環境を好むため冬に流行しますが、
温度が高く湿度が高い環境で生きるウイルスもいて、
それが夏風邪に原因となります。
夏風邪の原因となる主なウイルスは、
- アデノウイルス
- エンテロウイルス
- コクサッキーウイルス
です。
どれも湿度の高い夏場に増殖し、
主にノドや鼻の粘膜から体内に侵入します。
- 夏場はクーラーで粘膜が弱っているため、
やすやすとウイルスの侵入を許してしまうのです。 - また夏バテで体力が落ちていることも
ウイルスに抵抗できない原因です。
夏風邪の症状は基本的に、熱が出る、咳が出る、
下痢(腹痛)の3つです。
「プール病」、「手足口病」を聞いたことはありませんか?
アデノウイルスはプール病の原因、
コクサッキーウイルスとエンテロウイルスは手足口病の原因です。
「プール病」
発熱、咽頭炎、結膜炎が主な症状の病気で、
プールで感染することもあるため
日本では「プール病」と呼ばれています
(但し、感染方法として最も多いのは飛沫感染です)。
患者さんの8割が5歳以下の子どもで、
成人での発症は多くありません。
「手足口病」
発熱、口内炎、手足の水疱性発疹が特徴の病気です。
発熱のあと口が傷み、手足に発疹が現れることから
「手足口病」と呼ばれています。
ウイルスの潜伏期間は3~6日間のため、
熱は2~3日で下がり、発疹も3~4日で
あめ色に変化して治ります。
発疹が出るため水疱瘡と勘違いをする人もいますが、
水疱瘡と異なり発疹は手足が主体で水疱は化膿せず、
大きなかさぶたになることもありません。
夏風邪の治し方
ウイルスが原因となる夏風邪に特効薬はないので、
安静にして睡眠・栄養補給をするしかありません。
そのため夏風邪はなによりも予防が大切です。
それでもかかってしまったら、
水分補給をして次のように対処しましょう。
熱が出ていると解熱剤で体温を下げようとしますが、
発熱は身体がウイルスと闘っている証拠なので
38℃未満の場合は解熱剤を飲んではいけません。
38℃以上の発熱だと
体力の消耗が激しくなってしまうので、熱を下げる
というよりも体力温存のために解熱剤を飲むことを
おすすめします。
食欲不振も同様です。水分補給は必ずするべきですが、
食欲は出てから食べるで充分です。
おすすめは消化が良くいに優しいおかゆ、ホットミルクです。
おかゆにはたまご粥をおすすめします。
たまごは栄養価が豊富で消化が良いです。
嫌いでなければショウガを加えましょう。
ショウガは身体を温める効果があり、
生よりも熱を加えた方が温め効果が増します。
夏野菜は
逆に体を冷やしてしまう傾向があるため
避けましょう。