日本原産のキク科植物のフキノトウはフキの
花茎の部分を指し、独特の香りや苦みが料理
のアクセントとなり、日本で最も古くから食
されている山菜の一つです。
また、1月~4月にかけて一斉に目を吹き出す
事から春の訪れを知らせてくれる植物です。
栄養価も非常に高く、ビタミン・ミネラル・
食物繊維を豊富に含み、苦み成分であるポリ
フェノールの一種も含まれる事から、アンチ
エイジング・デトックス効果も期待出来るん
です。
今回そんなフキノトウの
- 植え付け
- 水やり、肥料
- 植え替え
- 増やし方
- 収穫
- フキ(フキノトウ)使用上の注意
- 注意する病気や害虫
などをご紹介します。
植え付け
地植え
[用意する物]
- 根株(苗)
- 苦土石灰
- 緩効性化成肥料
- 敷き藁
3月~6月、8月下旬~9月にかけて植え付けの
適期となり、風通しの良い半日陰の場所を選び、
植え付けの最低2週間前には土作り開始します。
- 土をよく耕し苦土石灰、緩効性化成肥料
を混ぜこんでおきます。 - 約30㎝間隔で根株を水平に置いたら、5㎝
程覆土し水やりをします。 - 植え付け後は防乾・防暑対策のため、敷
き藁などで覆っておきましょう。
プランター植え
[用意する物]
- 根株(苗)
- 大きめのプランター
- 野菜用培養土又は園芸培養土
- 敷き藁
植え付け適期である3月~6月、8月下旬~9月頃
プランターに市販の野菜用培養土、又は園芸培
養土を入れます。
フキは乾燥に弱いため鉢底石は必要ありません。
- 1つのプランターに対し2株を目安に株間
を15~25㎝あけ植えつけます。 - 根株が水平になるように置いたら覆土し、
たっぷりと水やりをしましょう。 - 防乾・防暑対策のため敷き藁を被せたら
半日陰で管理します。
水やり・肥料
水やり
フキは乾燥を嫌うため十分に水やりをします。
肥料
春から秋の間に3~4回追肥として化成肥料を
少量施します。
この時、細い根が土の浅い所に張っているので、
肥料は油かすなどの根やけがおこらない物を適
量与えるようにしましょう。
植え替え
1度植え付けたら4~5年以上は収穫出来ます
が、徐々に品質が悪くなるため3~4年に1度
植え替えます。
8月下旬~9月に根株を掘り上げて子株を間引
き、植えつけます。
増やし方
フキは地下茎で簡単に増やせます。植え替え
の際掘り上げた根株から生育の良い地下根を
選び、節を3~4節つけ約20㎝の長さに切り
分けます。
採取した地下茎を植え付け増やしていきます。
収穫
フキの花茎であるフキノトウの収穫期は2月~
3月で、春に植えつけたら翌年の春には収穫出
来ますが、植え付け1年目は株を育てるため見
送り、2年目から収穫しましょう。
完全に花が開くと苦み・エグミが強くなり食用
には向かないので、苞が開く前の若い蕾を株元
から切り取ります。
フキノトウは収穫後時間が経つとアクが強くな
るので、早めに下ごしらえをして保存しましょう。
フキノトウの収穫
フキ(フキノトウ)使用上の注意
フキ(葉柄)フキノトウ(花茎)共にアクが強く
肝毒性が強いピロリジジンアルカロイドが含
まれているので、
食用に調理する前に必ずアク抜きをする必要
があります。
また地下茎も有毒となるので、こちらは食用
にはしないよう注意します。
注意する病気や害虫
病気
・フキ斑点病
5月~7月に発生しやすく、葉に褐色の斑点が
出来て次第に病斑は拡大し葉が破れたり枯れ
たりし生育を阻害します。
発症した葉はすぐに切り取り処分し、薬剤を
散布し被害拡大を予防しましょう。
・白絹病
6月~9月に発生しやすく1度感染すると治療法
がない厄介な病気です。
土壌感染し病原菌の生命力が非常に強いため、
発生した場所では数年間植物の栽培が出来ません。
発症してしまうと回復しないので株ごと処分し、
土やプランターに黒いビニールなどを被せて、太
陽熱で菌を死滅させましょう。
害虫
・フキノメイガ
年に3回発生し、5月中旬に葉裏に産卵、7月中
旬に蛹化、7月下旬に羽化します。
茎や葉柄に潜り込んで食害するので薬剤が効き
づらく、食入されてしまうと茎が折れて枯れて
しまいます。
薬剤を散布する事で成虫の飛来・産卵を阻止し、
茎の食入孔から幼虫を見つけ出し駆除します。
・フキノズイバエ
5月上旬~5月下旬に被害が出やすく、体長1~
1.8mmの幼虫が葉柄や根茎を食害します。
幼虫は非常に小さく葉柄内に食入するため、発
見や駆除が困難な害虫です。防虫ネットを張り
早春に孵化した成虫の飛来を阻止し、産卵場所
となる枯れ葉などはこまめに除去しましょう。
まとめ
✽ 3月~6月、8月下旬~9月に植え付け、半日
陰で管理する。
✽ 乾燥を嫌うため十分に水やりをする。
✽ 春から秋の間に3~4回追肥として油かすなど
根やけしない肥料を与える。
✽ 品質悪化を防ぐため3~4年に1度植え替える。
✽ 収穫期である2月~3月に、苞が開く前の若い
蕾を株元から切り取る。
✽ 毒性があるため調理する前に必ずアク抜きする。